観察日 : 2017年 11月15日(水)
場 所 : 園内大池越流堤前、田んぼ周辺、園内水路
生きもの: コバネイナゴ、モズ
記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
ここ最近、地域によっては季節外れの大雪に見舞われるなど、寒い日が続いています。横浜も例外ではなく、末端冷え性の筆者にとっては実に厳しい(真夏の熱中症よりはマシですが・・・)シーズンの到来です。ということで今回は、冬によく見かけるあるものをご紹介したいと思います。
さて、みなさんは夏の終わりから秋の終わりにかけて見られる下の写真の生きものをご存じでしょうか?
コバネイナゴ
佃煮で有名なイナゴの仲間、コバネイナゴです。稲作農家さんからしてみれば「害虫」以外の何でもないでしょうが、田んぼの周辺で暮らしているようなカエルやカマキリ、クモ類にとっては、最高のエサとなっているバッタです。さて、このコバネイナゴがなぜこれからの季節よく見られるのか?それには、ある鳥が関わっているのです。
モズの早贄【コバネイナゴver.】
こんな感じで、木の枝や棘、時には有刺鉄線なんかに刺さっている生きものたちを見たことはありませんか?人間の目から見ればかなり残酷にみえますが、こんなことをやってのけるのはこの鳥です。
モズ
目のあたりに黒色の模様が入るスズメ目の鳥で、外見はいたって普通な「かわいい小鳥」そのものです。しかしながら、「モズの早贄」の犯人(?)でもあるのです。
この「早贄(はやにえ)」と呼ばれる習性については、なぜこんなことをするのか、明確には分かっていないようで、「冬の間の保存食用」とか「エサの生きものを食べる際に、固定できるほどの脚力がないから木に刺して固定している」、「ただ遊んでいるだけ」等々、様々な仮説があるようです。しかし、一見残酷に見える早贄ですが、これを見つけることで、周辺にどのような生きものが生息しているのか探るための手がかりにもなります。
冬は生きものたちの活動が目立たなくなってくる季節ですが、早贄を見つけるというような自然観察の仕方もありではないでしょうか?この時期に自然観察で外に出る際は、防寒対策を忘れずに、暖かい服装でお出かけ下さい!風邪を引かないようにお気をつけて!