観察日 : 2018年 5月16日(水)
場 所 : 大池、園内水路付近
生きもの: オオバン、オオヨシキリ
植 物: ネズミホソムギ、トウダイグサ
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
大池の水面にはヒシの葉が広がりはじめ、今年も夏がすぐそこだなと一年の速さを実感します。黒い鳥のオオバンは5羽残っていて、せっせとヒシを食べていました。決して器用<俊敏>とはいえないしぐさ<行動>に一生懸命さを感じ、年々愛着が増していきます。
冬場大池を賑わせていたカモたちもほとんどは北の繁殖地へ移動し、今は留鳥のカルガモのみ。
去る鳥と反対に日本にやってくる鳥、オオヨシキリは、1羽確認することができました。この辺りでは5月上旬くらいになると見られる夏鳥です。いつもはアシのてっぺんで得意げに「ギョギョシギョギョシ」と鳴くオオヨシキリですが、まだアシが高く育ってないので、木の上の方や茂みに出たり入ったりしながら鳴いていました。今年は水路のオオヨシキリエリアで繁殖してくれることを期待します。
歩いていると鼻がムズムズしてきました。<次は植物を2種紹介します> まずは、足元にはこの時期私の一番の大敵、ネズミホソムギがあったのです。いろいろな花粉症持ちですが、この草が一番ひどいかもしれません。この中で草刈りをすると目のかゆみ、涙、鼻水、くしゃみの花粉症オールスターズで全く仕事になりません。ネズミムギとホソムギは、明治時代に牧草として導入され、両種は雑種ができやすいということですが、ネズミホソムギは人為的に交配したものを日本に入れたのではと考えられています。麦踏みを秋や冬に行うように、鶴見川沿いなどで秋から冬の間、青々と生えている草があればほぼネズミホソムギと思ってよいと思います。みなさんもネズミホソムギの花粉症にはお気をつけください。
もうひとつご紹介したいトウダイグサは、漢字で「燈台草」と書くように、植物の形が油を入れた皿を置く照明器具の燈台に似ていることからきています。「灯台下暗し」は、岬などにある灯台ではなく、照明器具が正解。周りは明かりで照らされるが、真下は皿の影になって暗いためです。トウダイグサを知るまでは、私も普通に海の灯台だと思っていました。今後もおもしろい植物など紹介していきたいと思います。