新横浜公園生きもの観察日記291

観察日 : 2018年 7月23日(月)

場 所 : 大池

生きもの: ギンヤンマ、ウチワヤンマ

記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 公園を歩いていると、虫とり網を持って生きものを探す家族の姿をよく見かけるようになってきました。夏休みですね~! 新横浜公園のルールでは、生きものを持ち帰ることはできないので観察したら放してあげてくださいね。

 

 今回も鳥を中心に日記を書こうと思っていたのですが、大池はヒシやウキクサが広がって作り出した一面緑色の水面をジリジリとした日差しが照りつけ、鳥の姿はほとんど見られません。日中35℃を超える暑さはさすがに鳥にも厳しそうです。

 

 そんな暑さの中、緑の水面を双眼鏡でじっくり、汗でじっとり探していると同じような色をした生きものがもぞもぞと動いていました。ギンヤンマです。開放的な水面を好むため、新横浜公園ではよく見かけるトンボです。もぞもぞしていたのは、ヒシの茎などに腹部先端の方にある産卵管を突き刺して、産卵しているところでした。トンボの産卵方法は大きく分けて2つ。植物組織内や泥、コケなどに接触して産卵する方法と、接触せずに空中や水面に産み落とす方法があります。

DSCN2165.jpg産卵中のギンヤンマ

 次に見つけたトンボは、なにやら腹部の先の方がボコッとふくらんでいます。これがうちわ似ていることから名前になったウチワヤンマです。ヤンマとついていますがヤンマ科のトンボではなく、サナエトンボ科に属します。すぐ隣の鶴見川では枯れ葉にそっくりなコオニヤンマのヤゴもよく捕れますが、これもサナエトンボの仲間。紛らわしいですね。オスは、水面から出た植物などの先にとまって縄張りを主張するようですので、この写真もアピールしているところだったかもしれません。飛ばれる前になんとか写真を撮ろうとばかりに気が焦って、帰って写真を見直している時に下にもトンボがとまっていることに気づきました。胸の部分の模様や色合いがはっきり見えないので難しいですが、全体的な特徴をみるとコフキトンボかと思われます。

 

 観察を終えて帰り道、園内の広場で見かけたハシボソガラスは(くちばし)を開けてハーハーしていました。黒い羽衣をまとったカラスには暑さが余計に堪えるのかもしれないですね。

DSCN2144.jpgウチワヤンマ(上)とコフキトンボ?(下)

ギンヤンマほか場所.jpg