新横浜公園生きもの観察日記296

観察日 : 2018年 9月27日(木)

場 所 : 園内水路付近、大池

生きもの: カワセミ、アオサギ、バン

記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 暑さもだいぶ落ち着き、涼しい日が続くようになってきました。個人的には、これくらい涼しい方が活動しやすく、何かと助かるのですが、油断するとすぐに風邪をひくので、要注意の今日このごろです。さて今回は、観察日が生憎の雨模様で昆虫があまり見られなかったため、鳥類をご紹介していきたいと思います。

 

 冷たい雨の降るなか、園内の水路沿いをゆっくり移動しながら観察していると、なにか青く光るものがものすごいスピードで水路のすぐ上を通過していきました。なんとか目で追うと、水路の岩の上に着地し、水面を覗き込んでいました。その正体は、皆様ご存知の「カワセミ」でした。

DSCF4696.jpgカワセミ

 

 最近、TV番組などでも「都市の自然にカワセミが帰ってきた!」というような見出しで紹介されることも多いこの鳥ですが、実は絶滅危惧種や天然記念物等には選ばれておらず、比較的広い地域で見ることができます。ですが、何度見てもそのキレイな見た目には惚れぼれしてしまいます。漢字では「翡翠(ヒスイ)」とも書き、光の加減によっては羽が美しい緑色にも見えます。写真を撮りながら見とれていると、水に飛び込み、小さな魚を咥えて飛び去っていきました。

 

 カワセミの写真が撮れたので、撮れ高は上々かなと思っていると、いきなり雨が強くなり、びしょびしょになってしまいました・・・。しかし10分くらい雨宿りをすると、雨足は弱くなり、晴れ間も見えてきたので、大池の周りを1周してみました。いつも見かける「アオサギ」がいたのですが、なんだか様子が違います。

DSCF4685.jpgアオサギ(幼鳥)

 「全体的にいつも見るやつより白っぽい!全然青くない!」とびっくり。調べてみると紛うことなきアオサギではあったのですが、その幼鳥でした。幼鳥の頃は全体的に薄いグレーで、特徴的な頭部の色も薄く、下嘴(したくちばし)だけが黄色いようです。その後も、大池沿いに歩いていくと、カモ?否、「バン」を発見です。

DSCF4689.jpgバン(幼鳥)

 繁殖期には羽は真っ黒、額部分(額板)が鮮やかな赤色になるハトよりも若干大きいくらいの冬鳥ですが、今回確認できたのは幼鳥だったため、全体的に色も薄く、額も赤くなっていませんでした。「クルルッ!」と大きな声で鳴くことから、田んぼや池の番をしているように見えたことから、この名前になったようです。ちなみに漢字では「(ばん)」と書くそうです。余談ですが、東京湾を挟んでお隣、私の出身地千葉県では準絶滅危惧種に選ばれているんだとか。確かに子どもの頃には見たことがなく、こちらに越してきてから初めて見かけて、感動したのを思い出しました。

 

 これからどんどん寒くなっていきますが、昆虫であればバッタ・コオロギ類、鳥類であれば冬鳥たちの観察にもってこいの時期になります。寒さ対策に注意しながら、フィールドワークをお楽しみください!

 カワセミほか場所.jpg