観察日 : 2019年 1月29日(火)
場 所 : 大池
植 物 : ヒメガマ
生きもの: イカルチドリ、ミコアイサ
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
前日に続く強風。北風に変わったため、この日は一段と気温が下がりました。思い出せば12月の観察もかなり冷たい風が吹いた日でしたので、そういう日に当たってしまうのかもしれません。
投てき練習場の近くを歩いていると、目の前の地面は雪が降ったかのような光景。近づいてみると、正体はガマの綿毛の種子でした。ガマの仲間は、水辺を代表する植物の1つで、国内では3種ありますが、鶴見川や新横浜公園に多いのはヒメガマという種類です。夏場はソーセージのような穂が、冬になるとたくさんの綿毛の種子が飛び出します。
雪が降ったかのようですね
正体は、ヒメガマの綿毛の種子でした
広い草地広場を眺めると、7羽ほどのハクセキレイの集まりと離れて、同じような白黒の鳥がぽつんと1羽。ハクセキレイではなさそうだなと、双眼鏡で確かめると、、
その鳥はイカルチドリでした。水辺で見ることが多いですが、草地広場にいるとは思いませんでした。歩いては止まって嘴で地面をつつき、餌をとっていました。水辺よりも餌がたくさんとれるのでしょうか、穴場のレストランを見つけちゃったようですね。観察中、近くから子どものワーワーという叫び声が聞こえた途端、イカルチドリは、すぐさま地面に伏せ、「なんだ?!なんだ?!」と伺っている様子。少しして叫び声が消えるとまたお食事を再開しました。
イカルチドリ(チドリ科)
越流堤前までやってきました。依然風は強く、水面は大きく波が立っています。寒くて手がかじかんできました。水辺のガマやアシの草陰には、カワウとアオサギ、コサギ、ハシビロガモがお休み中。岸近くの水面には、コガモやオカヨシガモ、そしてミコアイサも見られました。
アイサ(秋沙)といいますが、潜水タイプのカモの仲間で、日本では5種確認されています。中でもミコアイサは小型で、雄は白黒模様で眼の周りが黒いことからパンダガモとも呼ばれています。ここでは、一昨年、昨年も確認していましたが、白黒の雄生殖羽を見るのは初めてでした。1月中旬あたりはまだ羽が生え変わっている段階でしたが、ほぼ生殖羽に変わったような感じです。雌と、もう1羽のミコアイサは雄かなと思っていますが、今後、色合いが変化していくのかどうか楽しみなところですね。
少しずつ春が近づいてきて、生きものの動きも盛んになっていきます。これからもマナーを守って自然観察を楽しんでください。
ミコアイサ(手前)とコガモ(後ろ3羽)
ピントのあう写真がなかなか撮れず惨敗です。