12月8日(日)「新横浜公園四季折々の生きもの観察会」(協賛:株式会社春秋商事)の5回目の観察会を開催しました。
今回は、新横浜公園に生息する野鳥と冬越しの虫を観察します。講師は特定非営利活動法人鶴見川流域ネットワーキング(以下npoTRネット)さんです。
はじめに、npoTRネットの阿部さんから新横浜公園でみられるカモなどの冬鳥やミニクリスマスツリーの材料集めについてお話がありました。昨年は「カワセミ」や「オオバン」など様々な鳥を見ることができました。今回はどんな野鳥を観察できるか参加者の皆さんは期待を膨らませていました。
npoTRネット阿部さん
どんな生きものに出会えるのか期待を持ちつつ、公園内での観察会のスタートです。
スタートして間もなく、野球場内に背筋がピーンと伸びたとても姿勢の良い鳥がいました。
「ツグミ」でした。あたりをうかがっているのでしょうか。
幸先の良いスタートです!
続いてミニクリスマスツリーの材料を探しながら、大池(減勢池)沿いを歩いて野鳥を探しました。新横浜公園の北側に位置する減勢池は、約7.7ha(日産スタジアム芝生ピッチ10面分)の面積があります。水の中に生息する魚や植物が餌となり、その広い水面の周りには鳥たちが身を隠す草もあるため、冬が近づくと多くの野鳥がやってきます。
どんな鳥がいるかな?
とても凛々しい表情のアオサギ
続いて発見したのは日本で見られるサギの仲間では最大級の大きさの「アオサギ」です。アオは古語で灰色をあらわすことから「アオサギ」の名になったと言われています。こちらが観察しているのをものともせず、じーっとしていました。新横浜公園では一年中観察することができます。
続いて減勢池のほとりで休憩している「ハクセキレイ」や「ハシビロガモ」「オオバン」「カワウ」「コサギ」などに出会えました。
ハクセキレイ
ハシビロガモ
オオバン
カワウ
水面にも綺麗に映っていたコサギ
途中、「モズのはやにえ」を観察することができました。モズは捕えた獲物をその場で食べずに、木の棘などに突きさしておく習性があります。縄張りの誇示のためや食物の保存のためなどと言われ理由がはっきりしていませんでしたが、最近冬場のはやにえの消費量が多いオスほど繁殖期の歌の質が高まり、繁殖に有利になるという結果が出ました。腹が減ってはいい声出せぬということのようですね。
モズのはやにえ(写真はオンブバッタ)
モズ
見つけたはやにえは他にコバネイナゴやミミズ。木の枝を注意してみてみると多くのはやにえを発見することができ、参加者からは「初めて知りました!」との声がありました。モズは観察中に良い写真が撮れず、クイズで使えそうな"顔なし写真"になってしまいました。。。2019年11月の新横浜公園生きもの観察日記324ではバッチリ撮れた写真をご紹介していますが、こんなにかわいい鳥が・・・と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
冬越しの虫はどうでしょうか。
あらかじめ仕掛けておいた「こも(菰)」を外しました。「こも」は元来木の防寒のためではなく、冬越しの害虫を集めて燃やし駆除をするためだそうです。
あらかじめ仕掛けていた「こも」
こもを外してみると・・・
ヨコヅナサシガメ(カメムシの仲間です)がいました!!
集団越冬の様子
ヨコヅナサシガメは昆虫を襲いその体液を吸います。人を刺すこともあるため触らないようにしてくださいね。
続いて室内へ移動し、観察できた鳥の確認をしました。
今回は、カモの仲間や、アオサギ、カワウなど18種の野鳥を観察することができました。多くの鳥を確認するとともに、その生態について学習することができました。
18種観察できました
最後にお待ちかねのミニクリスマスツリー作りです。
園内で採集した「モミジバフウ」「ナンキンハゼ」などの実をクリスマスリース作りとして利用しました。
とげとげが特徴的なモミジバフウ
白い実をつけるナンキンハゼ
保護者の方々にもご協力いただき、みんな真剣にミニクリスマスツリー作りに取り組んでいました。
完成です!!
なお、今回観察会のために特別に採集しましたが、普段は禁止となっております。また「こも」の設置を行いましたが、無断での設置は禁止となっております。公園内で捕まえた昆虫は放してあげるなどの配慮をお願いいたします。
この観察会をもちまして、今年度の四季折々の生きもの観察会は終了となりました。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。このイベントは、日頃から新横浜公園・日産スタジアムにご協力いただいている株式会社春秋商事様にご協賛いただきました。誠にありがとうございました。
来年度の予定については、決定し次第ホームページやメールマガジンでご案内いたします。来年度もよろしくお願いいたします。