芝生観察日記の第百話です。
令和二年7月22日(水)
<~ Road to 2019&2020 ~>
外は雨、新横浜上空は線状降水帯の真っ赤な雨雲が通過中で、激しい雨となっています。
排水性に優れている日産スタジアムのピッチは、これくらいで水溜まりができることはありません。
昨日、一昨日と久しぶりに晴れ間が覗き、芝生にとっては貴重な陽光となりました。
たった数時間ですが、このわずかな陽光でも芝生の顔色は上向きます。
それでも。12日のJリーグから10日が経過しましたが、この間連日の曇り空で必ずと言っていいくらい雨も降り、深刻な日照不足となっています。
日照不足は芝生の抵抗力を低下させ、様々な障害が発生します。最たるものが病害であり、懸念していたことではありますが、また新たな病気が発生しました。
写真のように、円形状の病斑で、「リゾクトニア病菌(Rhizoctonia Diseases)」が原因です。一般的には「ブラウンパッチ」と称されています。日産スタジアムでこれだけ鮮明なパッチを形成したのはあまり記憶にありません。それだけ芝生の体力が低下しているということになります。
既に、対象の薬剤を散布し、回復に向かってはいますが、天候が回復して芝生が元気にならなければ再び発病します。
日照不足の影響は、病気だけではありません。12日の試合で傷ついた部分の回復が一向に見られません。通常であれば、晴天が一週間も続けば芝生で埋まってしまうのですが、今は全くです。
この先一週間の天気予報を見ても、晴マークは見られず、梅雨明けもまだ先のようです。記録を取り始めた1951年以降の関東甲信越地方の梅雨入りの平均が6月8日、梅雨明けが7月21日となっています。今年は梅雨入りが6月11日で平均的でした。過去を遡れば8月4日の梅雨明けが最も遅いようですが、今年はそれに匹敵する長梅雨になるかもしれません。問題は期間だけではありません。梅雨の間に降った雨量を見ると今年は各地で豪雨災害が発生していますが、平均的な梅雨の2倍~3倍の雨量となっており、芝生の軟弱化に拍車をかけています。
今夜、Jリーグ再開後2試合目となるF・マリノスvs横浜FC戦が開催されます。実に13年ぶりとなる横浜ダービー。必然的に激しい試合となることは想像に難くありません。
今降っている雨も試合までには落ち着く予報ですが、ピッチコンディションはウエットです。ダービーということもあり、きっと芝生も荒れることが想定されます。
試合当日のブログの割には、両チームに全く参考になる情報ではありませんでしたが、試合後の状況は、また次回報告します。
平成8年から始めた芝生観察日記もお蔭様で、サラッと百話に達しました。誰もお祝いはしてくれませんが、見ていただける人がいる限り、引き続き書き綴っていきますのでよろしくお願い致します。