観察日 : 2020年 6月23日(火)
場 所 : 大池、水路など
植 物 : ヒメガマ
動 物 : ヤブキリ、アオダイショウ
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
しとしと雨が降るぐずついた日が続きますね。久しぶりに梅雨らしい天気を感じていますが、みなさんはいかがでしょうか?観察に出向いたこの日は、曇り空で時折晴れ間が出るとジワッと蒸し暑くなるような天気でした。
投てき練習場周りから観察をスタート。水辺に生えるヒメガマの穂を見ると、おしべがたくさん集まっている上の穂(雄花穂・ゆうかすい)が黄に色づいていました。これを見ると、花粉の具合はどれほどか、つい握りたくなってしまいます。握るとご覧のとおり、黄色いチョークを触ったかのように手が真っ黄色になります。この花粉は蒲黄(ほおう)と呼ばれ、古くから止血剤や利尿薬として用いられています。古事記の因幡の白兎で怪我を負ったウサギが傷を治すために使ったのが、ガマの花粉と言われています。
ガマと聞くとソーセージのような穂を思い浮かべる人が多いでしょう。これは雌花穂(しかすい)で、雌花が密集しており、秋になると綿毛の種子がびっしり詰まった状態になります。
ヒメガマ
雄花が集まった穂を握ると花粉がたくさん
水路沿いを歩いていると、オギやアシなどが高く生えている草地から「シュルルルル」という鳴き声が多く聴こえてきました。鳴き声の主は、キリギリスの仲間のヤブキリです。写真を撮ろうと探してもなかなか見つからず。ようやく撮影できたのは、多目的遊水地の越流堤の入口付近でした。(地図赤丸)遊水地の堤防法面の草地でもたくさん鳴き声が聴かれました。
ヤブキリの鳴き声が聴こえる水路の草薮
クズのつるの中で見つけたヤブキリ
ヤブキリの写真を撮影後、戻りながら再度観察していると、水路の浅い流れをうねうねと這い進むヘビを発見。双眼鏡で確認するとアオダイショウでした。日本の固有種で、北海道から吐噶喇列島(とかられっとう)まで広く分布しています。ヘビというと毒が気になると思いますが、本種は無毒です。流れの上手の方に向かって岸辺の様子を気にしながら進んでいったため、カエルなどの餌を探していたのかもしれませんね。
来月から7月に入り、夏が本番です。コロナウイルス対応でマスクの着用が大切ですが、熱中症にならないよう十分に注意しましょう。
アオダイショウ