芝生観察日記 第105話

芝生観察日記の第百五話です。

令和二年8月28日(金)

<~ Road to 2019&2020 ~>

 

 残暑見舞い申し上げます。

 早いもので8月も残り4日となりました。記録的な長梅雨の後は、記録的な猛暑日が続いています。体調管理には十分お気をつけください。

 日産スタジアムでは、8月23日(日)と26日(水)にJリーグが開催されました。

 結果は、マリノスが連勝し、チームに勢いが出てきました。チームが勝ってくれると我々にとっても励みになります。

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 26日の試合前のフィールド全景です。猛暑に後押しされ、セレブレーション本来の濃緑な色合いで、とてもバミューダグラス系の芝とは思えません。この時季、ティフトン419ではこれだけのゼブラ模様はなかなか出せません。また、8月10日にバーチカルカットを行い、芝生の密度を梳いた中で行われた2試合でしたが、26日の試合には、ほぼ回復して表面上は完全な状態で迎えることができました。

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 そして、試合後の状況は、バミューダグラス系の芝生特有の、傷口の周りが毛羽立つような細かい傷が散乱しました。刈込みを行えば目立たなくなるというのはブログで何度も書いていますが、この傷はテレビ画面でも結構気になりますし、実際よりも荒れて見えるのが難点です。

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 日産スタジアムで行われる最近の試合は全てナイターなので、試合後の巡回は照明下というのもあって傷が目立ち辛いものです。照明下で荒れたと感じる場合は、傷みがよっぽど酷い状況が多く、翌朝改めて見てがっかりする場合があります。今回は傷の大小はあっても幸い問題となる状況ではありませんでした。

 次回、日産スタジアムで行われるJリーグは9月5日(土)の現在首位の川崎フロンターレ戦です。

 それまで10日間あるため、2連戦で傷んだ傷の回復と共に、表面に堆積したサッチの除去や来年に向けて貯蔵養分を蓄える親株を増やすため、7月にも行ったサッチング掛けを実施しました。

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 今回のサッチング掛けも7月と同仕様で実施しました。次の試合まで2週間程度の養生期間が確保できるならば、バーチカルカットをもう一回実施したいところでしたが、今回は10日しか確保できないのと、残暑もいつまで続くか不透明な部分があるのでダメージが少ない分、効果も薄いサッチング掛けで我慢したのが本音です。

 本場アメリカでは、最盛期に毎週バーチカルカットを掛けている芝生だけに、日本の短い夏とスタジアムの利用スケジュールや特殊な環境を考慮すると、この芝生の日本におけるベストな状態という指標の設定が難しいのが現状です。

 どんな芝生にも、長所短所があります。長所を伸ばして、日産スタジアムに適した管理指標を構築していきたいと考えています。