観察日 : 2020年 7月28日(火)
場 所 : 大池、水路など
植 物 : ミソハギ
動 物 : ウチワヤンマ、カブトムシ、ノコギリクワガタ
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
8月を直前にして、梅雨が明けそうで明けず、ぐずつく日が続いていました。この日はお昼過ぎまでは曇りの予報でしたが、10時頃に公園に着くとすでに雨がぱらついていました。こんな天気だからこそ、なにか良い生きものに出会えるのではと期待して観察をスタートしました。
園内に入って早速聴こえてきたのは、「ジリジリジリ(アブラゼミ)」、「チーーー(ニイニイゼミ)」という賑やかなセミの鳴き声。こんな天気でもセミの声を聞くと夏を感じます。大池の様子を見に行くと、岸近くの水面上を飛ぶウチワヤンマを発見。腹部の先の方がうちわ状に広がっていることが名前の由来です。思うと最近は、うちわで扇ぐという機会がほとんどなくなってきましたね。よく見ると何か捕まえており、草の先端にとまって食べ始めました。獲物を確認しようと双眼鏡越しに目を凝らしますが、どんどん口の中に入っていったため、よく分かりませんでした。
食事中のウチワヤンマ
夏の昆虫と言えば、カブトムシやクワガタムシですね。大池の野鳥などの様子を見ながら、木も一本一本隈なく探していると、枝の先の方に黒っぽい大きめの生きものを見つけました。立派な角のカブトムシの雄です。写真では、罠に引っかかってそうな感じに見えますが、しっかり枝につかまっていました。子どもがいたら「カブトムシがいたー!」と大声で叫びそうですね。
カブトムシ
バタフライガーデンのそばを通ると、水路にはたくさんのミソハギが花を咲かせていました。湿地に生える多年草で、お盆の頃に咲くことから盆花とも呼ばれ、仏壇やお墓に供える花として有名です。真夏の暑く花が少ない時期には貴重ですね。お供え物などにミソハギに含ませた水をかけるのは、仏様の渇きを癒すためだろうと言われているようです。あまり知られていませんが生薬にもされており、千屈菜(せんくつさい)といって下痢止めや喉の渇きを止めるなどの効果があるようです。
赤紫色の花がきれいなミソハギ
観察も終盤になり、あとは流すように木を確認していこうと、今まではあまりマークしていなかったドッグランそばの木を見ていると、いましたノコギリクワガタ。写真では分かりにくいですが雄の下に雌もいます。ドッグランや第3レストハウス、園路にもたくさん人がいるそばに、灯台下暗しとはまさにこのことですね。
週間天気をみると、ようやく晴れマークが多くなってきました。今度は確実に梅雨が明けてほしいものです。今年の夏の暑さはどれほどになるのか、熱中症には十分注意して新横浜公園の自然観察を楽しみましょう。また、公園内の生きものは園外に持ち出さないようご配慮をお願いいたします。
ノコギリクワガタ