新横浜公園生きもの観察日記360

観察日 : 2021年 6月21日(月)

場 所 : 大池周辺、水際突堤周辺

生きもの: チョウゲンボウ、コフキゾウムシ、コフキトンボ、アオダイショウ

記事作成: 横山 大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 夏至。今日は一年の中で最も昼の時間が長い日です。梅雨の晴れ間で気温も高く、たくさんの生きものに出会えるチャンスでしたので、観察に出かけました。

 今回は、大池周辺から観察をスタートです。早速、越流堤に設置された水位計の上に鳥が2羽とまっているのが見えました!「チョウゲンボウ」です。

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ソーシャルディスタンス? チョウゲンボウ

 

 同一地点ではよくチョウゲンボウが観察されますが、1羽でいることが多いです。しかし今回は、少し距離を開けて2羽がとまっていました。向かって右側の個体は頭が灰色がかっているのでオスと思われます。向かって左の個体はメスでしょうか?こちらのカメラに気が付くと飛んで行ってしまいました。

 場所を移動して、今年の冬季から開放されている水際突堤にやってきました。隅のほうにクズが茂っていたので近づいて見てみると、葉の縁に緑色の小さな甲虫がくっついています。「コフキゾウムシ」です。

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クズの葉の色にそっくり コフキゾウムシ

 

 実際の体色は黒色なのですが、鱗片(りんぺん)(細かい鱗のようなもの)で覆われているので緑色に見えるそうです。この鱗片が粉を吹いているように見えたことから、"コフキ"ゾウムシと名づけられました。主食はクズやハギ等のマメ科植物の葉であるため、豆を栽培する農家の方からは煙たがられる存在でもあります。ですが、よ~く見るとエメラルドグリーンでとてもきれいなので、見つけた際は是非観察してみてくださいね!

 水際突堤の柵沿いに歩いていくと、大池の水面に出た枯れ枝の先に「コフキトンボ」がとまっていました。

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枯れ枝の先にとまるコフキトンボ(左:メス/右:オス)

 

  20分くらい観察していると、オスがメスの前にやってきて交尾の準備を始めました。ですがメスには見向きもされず、挙句の果てには別のトンボの邪魔が入りカップル成立とはなりませんでした。

 そろそろ撤収しようと思い、水際突堤の舗装された箇所に戻るとふと黒っぽいヒモが目に入りました。「こんなところにヒモなんか落ちてたかなぁ・・・?」と思い近づいてみると、なんと「アオダイショウ」でした。

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こんなところにヒモなんか落ちてたかなぁ・・・?

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ヒモじゃなくてヘビでした アオダイショウ

 

 新横浜周辺で見られるヘビの中で最もポピュラーな「アオダイショウ」。ヘビというと嫌われがちなイメージが強いですが、地域によっては、家に住み着くネズミを捕食してくれることから守り神として崇めている事もあります。今回見かけた個体はアオダイショウの中ではまだまだ中堅クラスの大きさで1mあるかないか、くらいでした。近づくと、茂みの中へと逃げていきました。アオダイショウ自身に毒はありませんが、つかんだり踏んだりすると嚙みついてくることがあるので、静かにその場から離れるようにしましょう。(生物多様性に配慮した公園の自然環境保全のため、基本的に駆除や捕獲はしません。)

 湿度・気温が高い日が続きます。熱中症等々、充分な対策をしたうえでフィールドワークを行ってください!

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