「新横浜公園四季折々の生きもの観察会」(協賛:株式会社春秋商事)今年度の2回目を開催しました。
この観察会は、鶴見川の多目的遊水地として水と緑が豊かな新横浜公園と生息する多種多様な生きものの理解を深めていただく機会として、年5回の開催を予定しています。
今回は、セミの抜け殻標本作りと木にしかけたトラップに集まる昆虫等の観察、セミの幼虫や羽化(幼虫から成虫になる様子)の観察を行いました。
講師はNPO法人鶴見川流域ネットワーキング(以下npoTRネット)さんです。
まずは「セミの抜け殻標本」を作りましょう。セミの抜け殻をケースのなかに配置して、1つの抜け殻にピンを4本使います。ピンを打つ位置や向きを教えてもらって、みなさん上手に完成することができました。
うつ伏せと仰向け状態の2つの抜け殻を固定しました。(仰向けは転がって難しい!)
逆さにしても動かないのが理想です
抜け殻標本作りを教えてくれたnpoTRネット横山さん
抜け殻のおしりの方をよく見て、ホワイトボードに赤く描いてあるように丸いものがあるのはオス、尖ったもの(産卵管)があるのはメスなんですよ。
外へ観察に行く前に、今回の観察会のために仕掛けてあるバナナトラップの作り方を教わりました。材料は、ストッキング、バナナ、ドライイースト、チャック付きのビニール袋、お酢を使うといいです。空気を抜いて綴じ、もみほぐして一晩くらい発酵させます。無酸素状態にするのがポイントです。
バナナトラップの作り方を教えてくれたnpoTRネット阿部さん
トラップを仕掛けたのはカブトムシの好むクヌギやコナラの木があるところです。これらの木はスズメバチなどもいることがあるので、いないことを確認してから観察するようにしましょう。
雨の降る中、みなさん雨具を着て、子どもたちはスキップして元気に出かけました。元気な姿に勇気をもらいながらもnpoTRネットさんと新横浜公園スタッフは、この雨ではもしかしたらカブトムシがいないかもしれないと少し不安な気持ちでいました。
コクワガタ(まさかのアゴが4つ?2つは影です)
いてくれましたカブトムシ!
手の上にいるのはメスのカブトムシ
「カブトムシに触りたいー」と子どもたちが喜んでいました。バナナトラップだけじゃなくて周りの幹や足元も注意深く昆虫を探していました。観察熱心ですね。数は少ないですが、コクワガタ、カブトムシのオスとメス、ほかにもベニスズメ(スズメガの仲間)やケシキスイの仲間、サビキコリ(コメツキムシの仲間)、シロテンハナムグリを観察することができました。次はセミを観察しに移動しましょう。
地面にいるセミの幼虫を踏まないように足元に気をつけて進みます
アブラゼミの幼虫
羽化を終えたばかりのミンミンゼミ
アブラゼミの羽化 翅(はね)がまっ白です!
「しろーい」「キレイ」とみなさん写真をたくさん撮っていました。セミの羽化も見られてよかったです。部屋に戻り、新横浜公園内で撮影した生きものを紹介してもらいました。そのなかにセミの幼虫が殻を破ってから羽化を終える状態までの動画がありました。約50分間もかかるのですね。セミも撮影されたnpoTRネットさんもお疲れさまでした。
次回の四季折々の生きもの観察会は9月11日(土)開催です。この日は、新横浜公園の池の生きもの(魚)を観察します。皆様のご参加をお待ちしています。
なお、今回観察会のために特別にトラップ設置を行いましたが、普段は無断でのトラップ設置は禁止となっております。また、公園内で捕まえた昆虫は、放してあげるなどの配慮をお願いいたします。