「新横浜公園四季折々の生きもの観察会」(協賛:株式会社春秋商事)今年度の3回目を開催しました。
この観察会は、鶴見川の多目的遊水地として水と緑が豊かな新横浜公園と生息する多種多様な生きものの理解を深めていただく機会として、年5回の開催を予定しています。
今回は、大池と修景池に仕掛けておいた小型定置網と箱型の網かご仕掛けを引き上げます。また、タモ網と投網を使っての採集も行ない、池の生きものを観察します。突堤では、水面をびっしり覆っているヒシを地引網のように引っ張り、収穫を行います。
講師はNPO法人鶴見川流域ネットワーキングさんです。(以下npoTRネット)。
秋は、スズメバチに注意が必要です。ハチがいたら、振り払うような動作をしたり、大声を出したりするなどの刺激を与えないようにして静かに後ずさりしましょうと教えてもらい、大池に向かいました。
npoTRネット阿部さん。持っているのは箱型の網かご仕掛け
この仕掛けは、前日と当日朝に網の中にエサを入れ、池に投げ入れておきました。引き上げてみるとアメリカザリガニやモツゴが採集できました。
アメリカザリガニ
次にタモ網を使います。網の平らな部分を底につけて、足でガサガサと追い入れます。ヤゴがたくさん採れました。
タモ網
シオカラトンボのヤゴ
次は投網を使ってみましょう。網の先には、鎖のおもりと袋状の網がついており、そこに生きものが入るようになっています。
地上で投げてみました。きれいに丸く広がりました。
大池に投げた投網はモツゴなどが採集できました。
モツゴ
いよいよ、たくさんの種類の生きものが入っているか期待される定置網を3人掛かりで引き上げます。魚以外の生きものも入るよう、エサとして魚屋さんから用意した魚のアラも入れてみました。シイラの頭などが入っています。
定置網
クサガメ(オス、メス)、スッポン、モクズガニ、テナガエビなどがいました。魚はブルーギルとモツゴがいました。
クサガメ(大きい方がメス)
スッポンがnpoTRネット横山さんの方に首を曲げています
モクズガニ、ザリガニのつかみ取りが人気
今日みつけた生きものたち
お魚以外の生きものが多かったですね。生きもの好きな参加者のみなさんは、虫探しもされていて蝶やバッタなどを捕まえていました。
最後にヒシの収穫に突堤へ移動します。茶色くなっているのはジュンサイハムシに食べられてしまったところです。
水面にびっしりのヒシ
ヒシは長い茎が水中に伸びています
水中の茎にロープをくくりつけて引き上げました
黙々と実の収穫に夢中
収穫したヒシの実
ヒシの実は、一晩水にさらしてあくを取った後、20分~30分くらい塩ゆでして、ごはんに混ぜたり、炒め物にして食べられます。でんぷん質が多く含まれていて栄養価が高いとされ、ひなまつりの菱餅に使われたそうです。
大池では、魚やエビ、カニ、カメ、ヤゴといったたくさんの生きものを観察することができました。それぞれの生きものにとって適した環境であることに加え、水辺の植物やヒシなどが水中の多様な環境をつくり出し、多様な生きものが暮らせているのではないかと思います。
今回の観察会で捕まえた生きものたちは、観察終了後、公園内に戻しています。ご来園のみなさまも公園内で捕まえた生きものは放してあげるなどの配慮をお願いします。網の仕掛けなども観察会のための特別な設置であり、柵内に入ることはできませんのでご了承ください。