観察日 : 2017年 6月22日(木)
場 所 : 園内水路
生きもの: キマダラセセリ、アオスジアゲハ
記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
どんよりした天気が続いています。こんな天気が続くと、なかなか昆虫たちに出会えません。特にチョウやトンボといった飛翔昆虫は雨が降るとなかなか出てきません。しかし、少しの晴れ間にどこからか顔を覗かせることがあります。今回はそのような状況で見られたチョウを2種、ご紹介したいと思います。
チョウといっても、アゲハチョウの仲間のように綺麗なものもいれば、非常に地味でガの仲間のようなものもいます。下の写真はその「地味」なチョウの仲間、セセリチョウの1種で、キマダラセセリと言います。茶色ベースに黄色のまだら模様の翅が特徴的です。飛んでいる姿も静止している姿もガそのもので、自然観察界などでは「うわ、ガだ・・・。」と残念がられることもしばしばです。しかし、よく見てみるとなんとも言えない魅力のあるチョウでもあり、「この渋さがたまらない!」というマニアックなファンがいたりもします。みなさんは、どちらの印象をお持ちになったでしょうか?(ちなみに筆者は後者です。)
キマダラセセリ
続いては、「綺麗な」アゲハチョウの仲間で、アオスジアゲハです。黒ベースの翅に水色の模様と、赤い小さな斑点が入るのが特徴です。公園や水辺など、広い範囲で見られるため、目にしたことのある方も多いのではないでしょうか?
さて、このアオスジアゲハ、他のアゲハチョウと体の作りに大きな違いがあるのですがどこだと思いますか?実は、多種に比べて口(口吻)が極端に短いのです。そのため、他のアゲハチョウが蜜を吸うユリのような花弁の長い花の蜜を吸うことができず、ハチやハナアブが蜜を吸うヤブガラシやヒメジョオンといった花の蜜を吸いに来ます。観察する時は、このような植物を見つけるのがポイントです。
アオスジアゲハ