観察日 : 2018年 1月5日(金)
場 所 : 減勢池周辺、草地広場トイレ棟周辺
生きもの: ハシボソガラス、ハシブトガラス
記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
新年明けましておめでとうございます。2017年最後の生きもの観察日記を書いたかと思ったらあっという間に2018年になってしまいました。筆者は今年、厄年だそうです・・・。
さて、そんなことはさておき、本日は曇り空で気温も低く、昆虫を見つけることができませんでした。そこで、今回は身近な鳥と植物をご紹介させていただきたいと思います。まずは、人が暮らしているところなら必ずと言っていいほど見かける機会の多い2種の鳥です。
見ての通りカラスの仲間です。「新年一発目でカラスかよ」と思った方、すみません。
普段、あまり気にすることもありませんが、身近なカラスには上記の2種がおります。額がなだらかで嘴が細いハシボソガラス、額がでっぱりで嘴が太いハシブトガラスです。見た目以外にも、鳴き声(ハシボソ:濁った声、ハシブト:澄んだ声)や鳴き方(ハシボソ:お辞儀するように頭を上下に揺らす、ハシブト:頭を約45°上方に突き出す)といった違いが見られます。市街地にはハシブトガラスが多く、郊外にはハシボソガラスが多いといった、生活する環境も若干異なるようです。
カラスについては、「ゴミを漁る汚い鳥」といったイメージを持つ方も多いと思いますが、カラスは古来、八咫烏として「神の使い」と神聖視されてきた鳥でもあります。ちなみにですが、日本サッカー協会のシンボルマークになっている三本足の鳥もこの「八咫烏」です。この他にも、地域によってはカラスにまつわる言い伝えや伝説が残っているようです。また、カラスは大変頭が良く、コミュニケーション能力が高いとされており、自身に危害を加える人間をしっかりと見分けて攻撃したり、その人物を仲間に伝えたりするそうです。
カラスは、そのイメージの悪さで大きく損をしている鳥類のひとつだと思います。ですが、カラスの仲間は全てが「全身真っ黒」で「ゴミを漁る」わけではありません。新横浜公園の周辺では、黒い頭に青く長い尾羽を持ったオナガがよく観察されます。また、カラスのゴミ漁りを防ぐには、我々人間の配慮も必要とされます。対策としては、カラスが開けられない形状のごみ収集場所を整備・設置したり、生ゴミをゴミとして出さずにコンポストで処理し、家庭菜園の肥料として有効活用したりと様々なものが考えられます。
カラスに対する否定的な見方をほんの一瞬捨てて、公園のカラスを観察してみると、身近な鳥の意外な一面に気がつけるかもしれませんよ?