6月16日(土)、「新横浜公園四季折々のいきもの観察会」(協賛:株式会社春秋商事)の今年度1回目の観察会が行われました。
今回は「水辺の生きもの観察&水路のお世話を体験しよう!」と題して、水にいる生きものがテーマです。
講師はNPO法人鶴見川流域ネットワーキング(以下npoTRネット)さんです。
まずは、このイベントについての説明がありました。3年前実施した際には大物の雷魚(カムルチー)やカメなどを観察することができたこと。新横浜公園は多目的遊水地になっており、鶴見川が氾濫しないように川の水を引き込むようになっていることなどの説明がありました。
今年の3月にも鶴見川の水が流入しました
みんな説明をしっかり頭に入れて、どんな生きものに出会えるのか期待を持ちつつ、早速公園内での観察会です。公園内の自然と触れ合いながら、水路の生きものがいるポイントに行きました。
最初のポイントでは網を使って小さい生きものを狙います。npoTRネットの阿部さんより捕り方のレクチャーを受け、早速開始です。
レクチャー中
なにがいるかな?
水路から上がり、なにが捕れたか確認です。
ドジョウ・カダヤシ・モツゴ・アメリカザリガニ・ヒメタニシ・シオカラトンボのヤゴなどを観察することができました。
ドジョウ
シオカラトンボのヤゴ
水路の観察中、筆者は泥に足をとられ水路にコケてしまいました(泣)。みなさんも水辺を歩くときはくれぐれも注意してください。。。
ずぶ濡れになってしまった筆者の足
現場写真
次に公園内の水路で多自然型管理体験をしました。北側園地にある一部の水路では、生きものの暮らしを考えた水路管理を行っています。今回は、「セイバンモロコシ」の除去体験をしました。
セイバンモロコシ
セイバンモロコシは、地中海地方原産の植物で戦後日本に侵入していることが確認されています。若葉に青酸化合物が含まれているため、牧草地に侵入して家畜が食べると中毒をおこすといわれています。数年前から鶴見川の堤防でも多く見られるようになり、本種以外のイネ科植物の草地に比べるとバッタ類が少ない印象があります。新横浜公園内でも昆虫などに良からぬ影響を与えているのではないかと考えられます。根の広がりが旺盛なため、刈り取りではなく根っこから引き抜きます。
セイバンモロコシの根っこ
みんなでたくさん抜きました!
昼食休憩をはさみ、いよいよ大きな生きものを狙います。
ポイントには定置網をしかけていましたが、池の中にズカズカと入っていってしまうと、魚たちが逃げていってしまうため、最初に投網をしました。
見事な投網!!
慎重に引き上げていくと・・・
投網で「ブルーギル」を観察することができました。
ブルーギル
続いて、定置網を引き上げました。
定置網の様子
何が入っているかな?
引き上げたものの、中には何も入っていませんでした。その後、様々なポイントにあらかじめ設置しておいた仕掛けを引き上げていきましたが、アメリカザリガニやオタマジャクシのみで、魚やカメは入っていませんでした。
この日は最高気温が17℃程度で、6月中旬とは思えないほどの肌寒さ。暖かい日が続いた後に、寒くなり雨が降ったため、温度差や酸欠で生きものの活性がかなり落ちてしまっていたのかと思われます。この日、魚やカメもどこかでじっとしていたのでしょうか。
アメリカザリガニ
ウシガエルのオタマジャクシ
大池にはコイやモツゴ、ナマズ、ヌマチチブ、モクズガニ、テナガエビなど多様な生きものが暮らしていますが、みなさんにご紹介できず悔しい限りです。水路は、3月の多目的遊水地への流入直後、生きものの姿がほとんど見られませんでしたが、ドジョウの稚魚が捕れるなど、生きものが繁殖してしっかりと暮らしており、自然のたくましさを実感することができました。
※カダヤシ、ブルーギル、ウシガエルは、特定外来生物に指定されており、飼養、栽培、保管、運搬、輸入といった取扱いが規制されています。
次回の四季折々のいきもの観察会は7月27日(金)開催です。この日は、新横浜公園昆虫トラップ&セミの羽化観察をします。皆様のご参加をお待ちしております。観察会の様子はまた、ブログで紹介します。
この「新横浜公園四季折々のいきもの観察会」は年5回の観察会を予定しており、株式会社春秋商事様にご協賛いただいています。また、NPO法人鶴見川流域ネットワーキングさんに講師を依頼しています。
なお、今回観察会のために特別に魚とりや定置網の設置・ 投網を行いましたが、普段は無断での定置網の設置等は禁止となっております。また、公園内で捕まえたいきものは放してあげるなどの配慮をお願いいたします。