芝生観察日記の第八十七話です。
平成31年4月22日(月)
<~ Road to 2019&2020 ~>
連日20℃を超える暖かな陽気が続いており、寒地型のペレニアルライグラスにとっては最適な生育環境となっています。また、ベースの芝生である暖地型のセレブレーションにとっても休眠から覚める時季となり、両種の芝生がせめぎあいながら生育しています。
管理上ではトランジションの時期であり、冬季の間フィールドを被っていたペレニアルライグラスを抑制して、逆に冬季の間眠っていたセレブレーションを目覚めさせ、少しでも早く地表に新たな芽を出させるための作業を行う時期です。
サッチング実施前
サッチング実施後
トランジション作業は、前回の日記で取り上げたエアレーションのコアリングやバーチカルカット、サッチングが代表的な作業となります。その中で今日は、サッチングを行いました。3連乗用グリーンモアのカッターユニットをサッチングユニットに交換して行います。
写真はサッチング前後の状況ですが、上の写真がサッチング実施前、下が実施後です。芝の密度が減っているのが判りますか。また、実施後の方は芝生が立っています。
サッチングリールの役目は、芝生の密度を梳くとともに、倒れている芝生を起こします。この作業によってペレニアルライグラスの密度が減り、密度が減ってできた隙間に光が差し込むことで土中に眠っているセレブレーションの芽を表面に出させる効果が期待できます。
サッチングリールは、手裏剣のような刃が無数に取り付けられたリールが芝生を掻き上げます。期待する効果により芝生との接地間隔(リールの高さ)を変えます。
今回はトランジションが目的であるため、地際表面でリールが回転するように設定しました。写真にあるように芝生が薄く、裸地に近い場所では既にセレブレーションの芽が表面に出ているのが判りますか。株状で緑が濃いのがペレニアルライグラスで、淡い緑で地表面に這うように見えるのがセレブレーションです。芝種それぞれの特性を理解しながら強弱をつけてトランジション作業を引き続き進めていきます。
サッチングは2週に一度くらいのペースで定期的に行っていきます。
次回をお楽しみに!