新横浜公園生きもの観察日記338

観察日 : 2020年 6月2日(火)

場 所 : 園路脇、バタフライガーデン、大池付近

生きもの: オオヒラタシデムシ、ラミーカミキリ、コシアキトンボ、オオヨシキリ

記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 緊急事態宣言が解除され、やっと普段の生活に戻り始めました。そうこうしている間に、もうすぐ梅雨に入ろうとしています。ジメジメとした日が多く、気分も落ち込みがちですが、なんとか乗り切りましょう!

 今回は朝のまだ涼しい時間から観察を始めてみました。園路を歩いていると、死んでしまったミミズが多く見られました。前日に雨が降っていたためでしょう。そのミミズに乗っかるようにして、コウチュウの仲間がちらほらと見受けられます。いずれも、革小物のような鈍い光沢のある黒っぽい色をしています。正体は「オオヒラタシデムシ」。

オオヒラタシデムシ成虫.jpg

ミミズを食べるオオヒラタシデムシ(成虫)



オオヒラタシデムシ幼虫.jpgミミズを食べるオオヒラタシデムシ(幼虫)

 

 シデムシ類は生きものの死骸を食べる分解者で、そこから「死出虫」という名前がつけられたそうです。中でもこの種類は市街地の公園から林道まで広い地域で見られます。名前の由来は、「大きくて平たい死出虫」と、見た目そのものからきているようです。幼虫も平たい体型をしていますが、成虫とは違い、テントウムシの幼虫を大きくしたような、はたまたフナムシのような形をしています。ジ○リ作品にでも出てきそうなフォルムで、個人的にはカッコいいと思うのですが、この話をするとほとんどの方に引かれてしまいます・・・。

 続いてバタフライガーデンの様子を見てみましょう。雨が上がったばかりだからか、チョウ類はそれほど見られませんでしたが、1匹の甲虫に目を惹かれました。「ラミーカミキリ」という小型のカミキリムシです。

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ラミーカミキリ

 

 青緑色に黒い特徴的な模様で、初めて見たときはその色合いに驚かされました。今では普通に見られますが、本来の生息域はインドシナ半島や中国だそうです。日本には幕末から明治にかけて入ってきたとされています。名前の由来は本種が食草としているラミー(イラクサ科・カラムシの変種)からきています。日本に入ってきたのも、繊維を取るために輸入したラミーにくっついてきたものが最初だとされています。模様に個体差はありますが、胸部の黒い点が目、前翅の黒い模様が4つの足のようにも見えるので、「パンダカミキリ」と呼ぶ方もいるようです。

 日も昇り、暑くなってきたので最後に大池の様子を見て、撤収するとしましょう。ラミーカミキリほどではありませんが、こちらにもパンダカラーの昆虫がいました!「コシアキトンボ」です。

休憩中のコシアキトンボ(♂).jpg

休憩中のコシアキトンボ(♂)

 

 人間で言うところの腰のあたりが白く空いているので「腰空きトンボ」という名前です。写真はオス個体ですが、メスは腰が黄色く空いているので、雄雌の見分けは慣れると簡単です。コシアキトンボの写真を撮っていると、大池対岸の藪から「ギョギョシ!ギョギョシ!」と聞き慣れた鳥の鳴き声が聞こえてきました。新横浜公園で見られる夏鳥の代表「オオヨシキリ」です。

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   さえずるオオヨシキリ

 

 普段は鳴き声が聞こえるだけで、その姿はあまり見えませんが、園内の水路や大池の近くでこの鳴き声が聞こえたらよ~く目を凝らしてみてください。オオヨシキリの姿を見ることができるかもしれませんよ!

 まもなく梅雨入り。夏もすぐそこまで来ています。早く虫とりや生きものの観察をしたいところではありますが、まだまだ油断はできません。不要不急の外出は控え、手洗い・うがいをしっかりして、皆さんで新型コロナを乗り越えましょう!

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