芝生観察日記の第百二十五話です。
令和四年3月17日(木)
日産スタジアムでは、3月6日(日)にJ1リーグ、横浜F・マリノスvs清水エスパルス戦が開催されて以降、4月2日(土)のFC東京戦に向けて粛々とトランジション作業を開始しています。
今週に入り、連日20℃を超える4月下旬並みの暖かさが続いているため例年よりやや遅れて夏芝ティフトンの萌芽を確認できました。
今年の冬は、通常と言うか、普通の冬というか、冷え込みが厳しくなったため夏芝が確実に休眠することができました。
近年は、暖冬が続いた影響で夏芝が完全に休眠せず冬越しする年もあり、春先に体力を消耗してトランジションに影響する年がありました。しかし、今年はしっかり休眠できたので体力を温存しているのではないかと期待しています。
現在は、1月に行われたラグビーリーグワンやJ1リーグの開幕に向けて冬芝のライグラスを過保護に育てた反動で過密な状態になっています。そのためティフトンが顔を出す隙間が殆どありません。
そこで、トランジションの第一弾として今年初のエアレーションをコアリングで行いました。まだ、寒の戻りがあると思われるので今回は細めの7㍉タインを使用しました。昨年張替えたばかりの芝生ということで根の張りが不十分であり、コアの抜け具合も期待したほどではありませんでした。
今回のコアリングは、トランジションが最大の目的ではありますが、同時に酸素の供給と透水性の向上による根の活性促進も期待できます。
また、今週から刈高を12㍉に下げて、より地際のティフトンに光が当たるようにしています。
週間の天気予報を見る限り、一雨ごとに暖かさが増していく気配を感じます。お天気と芝生の様子を見ながら今後は、バーチカルカットやサッチングなど本格的なトランジション作業を計画的に進めていきます。