新年あけましておめでとうございます。
昨年も、多くの皆様にご来園いただき誠にありがとうございました。2018年は新横浜公園(日産スタジアム)がオープンして20年を迎えます。
新横浜公園では凧揚げ、スタジアム駅伝、フリーマーケットなど、1月から様々なイベントを開催いたします。スタジアム駅伝は、事前申し込みとなっております。まだ間に合いますので皆様のご応募お待ちしております。
引き続き安全・安心を最優先に、「笑顔あふれる公園(スタジアム)」を目指し、ラグビーワールドカップ2019™、2020東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、準備を進めるとともに、皆様にとって身近なスタジアムとなれるよう、様々な取組みを行います。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
皆様のご健康とご多幸をお祈りし、新年のご挨拶とさせていただきます。
観察日 : 2017年 12月25日(月)
場 所 : メドウガーデン付近、減勢池亀甲橋下付近
生きもの: ヨツボシテントウダマシ、トビムシの一種
記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
もうすぐ2017年もおわり、新たな一年が始まろうとしています。本日は快晴で暖かい一日になりました。そのためか、鳥類が多く見られ、甲羅干しをしているクサガメも見ることができました。ですが今回も紹介させていただくのは昆虫です。
まずは、一見するとテントウムシによく似ているこの昆虫です。
ヨツボシテントウダマシ
減勢池の岸に転がっていた岩の下に隠れていた「ヨツボシテントウダマシ」です。背面に4つの黒色点があるテントウムシに似た昆虫だからという理由でこのような名前になったものと思われます。本人は騙しているつもりなんてないのでしょうが、なんとも可愛そうな名前です。今回は岩の下で冬眠をしていたようで、動きがかなり鈍かったです。
続いても、岩の下で見つかったとても小さな生きものです。
トビムシの一種
昆虫類に近縁で原始的な形態のグループに属するトビムシの仲間です(種類が多く、今回のものは種名がわかりませんでした)。先ほど紹介させていただいたヨツボシテントウダマシと同じように岩の下に隠れていました。トビムシ類の多くは雑食で、落ち葉や腐植質、センチュウ類を補食したりするようで、森林の湿った土壌ではかなり多く見られます。また、多くの生きもののエサにもなっており、生態系を支えている大切な生きものでもあるのです。
冬に昆虫類やクモ類等、身近な生きものを観察する方法はいくつかありますが、最も簡単なのは公園や河川敷等に転がっている岩や木の板をひっくり返してみる方法です。メジャーなものではミミズやダンゴムシ、テントウムシから、果てはムカデやオサムシ、ヒキガエルなんかにも出会えるかもしれません。ですが、観察した後は生きものも、隠れていた場所も元通りにしてあげるようにしましょう。そうしないと、生きものたちは無事に冬を越すことができません。冬眠している生きものたちを暖かく見守ってやって下さい。それでは皆様、良いお年をお迎え下さい。
観察日 : 2017年 12月19日(火)
場 所 : 減勢池
生きもの: ノスリ、カンムリカイツブリ、タシギ
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
冷え込む日が続きますね。公園入りしたのは10時前でしたが、日陰の植物一面にはまだ霜が残っていました。投てき練習場の方から減勢池沿いに観察をはじめ、まず見られたのが排水門前のコンクリートブロックにたたずむ6羽のカワウ。繁殖羽で頭の羽が白くなっているものもいました(年老いて白髪になってきたカワウではありません)。
そして排水門の上にも留まっている鳥が1羽、ノスリでした。冬期になるとこの付近でよく見られるタカの一種です。写真を撮ってまもなく、獲物を見つけたのか鶴見川の方にヒュ~っと降りて行きました。神奈川県では、オオタカと同様に繁殖期・絶滅危惧Ⅱ類※、非繁殖期・希少種※に指定されています。観察が終わったお昼過ぎには、ハシボソガラスがノスリにモビング(嫌がらせをして追い払う行動)をして、もう1羽のノスリがそれを伺っているような様子も見ることができました。
ノスリ(タカ科)
カンムリカイツブリは、10月31日の観察(生きもの観察日記275)で成鳥を確認していましたが、第1回冬羽(今年生まれで秋の換羽による羽衣)で、顔に幼羽の白黒模様の面影が残る個体がいました。カイツブリの仲間は潜水が得意で、弁足という足の指1本1本に発達した膜がついている形になっています。日本で見られるカイツブリの仲間5種で、この日はカイツブリも確認できました。以前は年中見ることができましたが、夏場はヒシに覆われて潜水しにくくなったせいか、最近はヒシがない秋から春にかけて姿を見るようになりました。
カンムリカイツブリ(カイツブリ科)
続いてタシギです。今月3日に実施した生きもの観察会と同じ辺りにいたので、相当この場所がお好きのようです。旅鳥・冬鳥で、ここでは秋から春にかけて見られます。枯れ草の中に潜んでいるときは、本当に分からず、近づいてジェッ!と鳴き飛ばれて気づくというまさに忍者です。神奈川県では、湿地等の減少により生息環境が心配されており注目種※になっています。
鳥山川合流部の上流に広がる草原性の淡水低湿地環境を好む生きもののためにも、このような環境の大切さを認識して大事にしていきたいですね。
タシギ(シギ科)
※絶滅危惧Ⅱ類...絶滅の危険が増大している種
希少種...生息地が狭域であるなど生息環境が脆弱な種のうち、現在は個体数を特に減少させていないが、生息地での環境悪化によっては絶滅が危惧される種。
注目種...生息環境が特殊なもののうち、県内における衰退は目立たないが、環境悪化が生じた際には絶滅が危惧される種。
5月に麻生養護学校元石川分教室の生徒さんにご協力いただき中央広場花壇に植え、新横浜公園利用者の目を楽しませたガザニアの花も、秋には役目を終えました。
そこで今回も、麻生養護学校元石川分教室の生徒さん18名に3グループに分かれていただき、10箇所の花壇にナデシコを植え付けていただきました。(10月12日)
花の植え付けが終わった後は、生徒さんがナデシコにジョウロで水をたっぷりあげて、全作業を終了いたしました。
終了後、6階特別室より日産スタジアムを見学していただきました。
12月15日現在。生徒さんに植えていただいたナデシコはすくすくと成長しております。
また、新横浜公園にはナデシコ以外もさまざまな種類の花や樹木が植えられています。是非そちらも一緒にご覧になってください。
麻生養護学校元石川分教室生徒の皆さん、ナデシコ花植えのご協力ありがとうございました。
観察日 : 2017年 11月27日(月)
場 所 : 減勢池
生きもの: ミコアイサ、オオバン、オオタカ
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
この日は、鶴見川と新横浜公園をまたいで架かる亀の甲橋から観察を始めました。橋から上空を見渡すとさっそく飛翔するオオタカを発見し、幸先のよいスタートです!公園におり、減勢池を中心に見ていきますが、カモがたくさん水面に浮いている様子はなく静か。先ほどのオオタカの影響や、10月下旬までは餌になるヒシやウキクサなどの水草が豊富にありましたが、10月23日の越流・排水や枯れのため、餌が少なくなり、大分落ち着いてしまったのかもしれません。
そんな中、水に潜って獲物をとらえるミコアイサがいました。冬鳥として渡来し、主に魚や甲殻類などを食べます。この場所ではあまり見られる種ではありませんが、昨年に続いてやってきてくれました(生きもの観察日記255)。
他にカモは、ホシハジロ、コガモ、ハシビロガモ、オカヨシガモ、カルガモくらいでしたが、この鳥はオオタカがいてもなんのそのという感じ、いつも通りのオオバンです。池の対岸に上陸して、主にアシを食べていました。
ミコアイサのメス(カモ科)
アシの葉を食べるオオバン
減勢池沿いを歩き、バタフライガーデンの方へ行くと野鳥観察している方が上の方を見ているので、何がいるんだろうとその先を見るとオオタカでした。成鳥は、目の上の白い眉斑と胸、腹部の細い横斑が特徴。ここでは、秋から春にかけて成長や幼鳥をしばしば確認することができ、捕獲されたと思われるコサギやハトなどもたまに見かけます。
今回はオオタカに始まり、オオタカに終わった観察でした。久しぶりに近場で観察、撮影することができ大満足です。
オオタカ(タカ科)
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続いては、10月に新横浜公園をバードウォッチャーで賑わせていた野鳥を紹介します。メジロガモ(雄)です。国内では、1959年に千葉県で記録があるのみでしたが、1990年以降、福岡県などで徐々に観察されるようになり、現在は稀な冬鳥とされています。
渡来したのはオスで、10月上旬に飛来したと思われ、23日の鶴見川多目的遊水地への流入をきっかけに移動したようです。私は初めて見る野鳥で、渋めな色合いなので分かるかな~と少々不安でしたが、白い虹彩(人でいう白目の部分)のお陰ですぐに分かりました。越流がなければもう少し長くいてくれたかもしれませんが、その反面、鶴見川多目的遊水地を知っていただく機会にもなったかと思います。
※メジロガモについての記載は、「決定版 日本のカモ 識別図鑑」を参考にしました。
メジロガモ(カモ科)/ 10月8日撮影