「新横浜公園四季折々の生きもの観察会」(協賛:株式会社春秋商事)今年度の5回目を開催しました。
この観察会は、鶴見川の多目的遊水地として水と緑が豊かな新横浜公園と生息する多種多様な生きものの理解を深めていただく機会として、年5回を予定しました。
今回は、新横浜公園に冬になるとやってくるカモ類・猛禽類・小鳥などの野鳥の観察をしました。感染症拡大防止のため、屋内での松ぼっくりツリー工作は、屋外で作り方の説明をして工作セットをお渡しすることにしました。ご自宅でツリー作りを楽しんでくださいね。
講師はNPO法人鶴見川流域ネットワーキング(以下npoTRネット)さんです。
npoTRネット阿部さんから野鳥観察を始めるにあたって、双眼鏡の使い方を教えてもらいました。気温が低く寒いですが気持ちのいい青空のもと、公園の北側に位置する減勢池(大池)に向かいます。鶴見川の多目的遊水地である新横浜公園は、鶴見川の水の量が増えると越流堤から公園へ水が流入してきます。減勢池は水の勢いを弱める働きをします。
大池の手前にあるバタフライガーデンで、松ぼっくりツリーの飾り用にバラの実を採りました。赤い小さな実が飾りにぴったりですね。
大池に到着すると早速、対岸側にオオバン、カルガモがいました。参加者の皆さんが熱心に双眼鏡を覗いていると、大きなフナを捕まえたアオサギが現れました。
オオバン
カルガモ
フナを食べようとしているアオサギ
大池沿いに先に進んでいくと、カワウやハシビロガモもいました。カワウの頭が白くなっているのは繁殖羽です。
カワウ
ハシビロガモ
途中、桜の木に「モズの早贄(はやにえ)」を観察することができました。モズが捕らえた虫などを木の枝に刺すという習性です。皆さん興味津々です。
モズの早贄(刺さっている虫はイナゴです)
園路の内側に渡り、メドウガーデンの奥の木々にも早贄がたくさんありました。モズは百舌と書きます。いろいろな鳥の鳴き真似をする鳥です。早贄は縄張りを示すものなのか、食糧保存のためなのか目的がわかっていませんでした。近年、早贄が食べられていて、食べているモズの声は良く、繁殖に有利となることがわかったようです。今回観察できたものは、npoTRネットの皆さんが事前調査しておいてくれたものですが、食べられて無くなっているということも観察できました。
大池側に戻り先に進みます。コガモ、ミコアイサ、ヨシガモ、オカヨシガモ、ホシハジロ、コサギがいました。コサギは足の指先が黄色いのが特徴です。
左:コガモ、右:ミコアイサ
ヨシガモ
コサギ
チョウゲンボウの観察スポットを教えてもらいました。対岸の緑色のポールの先端など突出している場所によく留まっているそうです。
チョウゲンボウはタイミングよく、、、留まってはいませんでした
また大池沿いに進んでいこうとすると、オオバンの群れが大池から草をついばみに陸にあがってこようとしています。人との距離は保ちたいようですのでこちらの様子をうかがっています。公園内側に移動したらオオバンがあがってくるかもしれないということで、水路のほうに移動してモズを探しました。
モズ
モズがいました。少し飛び回ったりしましたが留まってくれたので皆さん観察できたようです。そして大池へ戻ってみるとオオバンの群れが陸にあがっています。子どもたちが木に隠れながら近づいて行こうとしましたが、ある程度の距離で静かに離れていきました。一定の距離を取りたいようです。
オオバン
最後は突堤に行きました。行く途中、大池上を飛ぶ鳥がいました。チョウゲンボウです。ここで会えましたね。突堤は普段は入れない場所です。ここではカンムリカイツブリ、カワウ、アオサギを観察できました。また、スタジアムの屋根の上には飛び回るカラス(おそらくハシボソガラス)を観察できました。
チョウゲンボウ
突堤
さて、今回の観察会では、ほかにドバト、ハクセキレイなど全部で17種類の鳥を観察することができました。今回の鳥に再会したり、会えなかった鳥を見つけに新横浜公園へまたお越しください。
なお、今回観察会のために特別に植物を採集しましたが、普段は禁止となっております。また、公園内で捕まえた昆虫は放してあげるなどの配慮をお願いいたします。
今回の第5回で今年度の四季折々の生きもの観察会は終了となりました。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。このイベントは、日頃から新横浜公園・日産スタジアムにご協力いただいている株式会社春秋商事様にご協賛いただきました。誠にありがとうございました。