「新横浜公園四季折々の生きもの観察会」(協賛:株式会社春秋商事)今年度の2回目を開催しました。
この観察会は、鶴見川の多目的遊水地として水と緑が豊かな新横浜公園と生息する多種多様な生きものの理解を深めていただく機会として、年5回を予定しています。
今回は、公園内の大池や水路から水を採取して水の中の小さな生きものを顕微鏡で観察します。
参加のみなさんが集合した時間にはすでに30度を超える暑さになっています。日陰のルートで投てき場・スケボー広場そばの水路に向かい、公園内に生息する生きものを教えてもらいました。
講師はNPO法人鶴見川流域ネットワーキングさんです。(以下npoTRネット)
npoTRネット横山さん ブラックバスを手づかみ(公園内で採取された魚の説明)
在来種、外来種さまざまいます
「プランクトンネット」はロート状になっていて、先端にコックがついています。水に投げ入れてゆっくり手繰り寄せ、コックを空けてプランクトンを採集します。
npoTRネット阿部さん 微生物とプランクトンネットの説明をしています
プランクトンネットを引いて採集する様子
参加者のみなさんにも網で採集してもらいました。藻などに生きものがついているかな?
お待ちかねの顕微鏡観察です。顕微鏡を覗き、反射鏡の角度を調節して視界を明るくし、ステージ(観察するものをのせる台)を下げながらピントを合わせていく調節ねじの使い方を確認しました。採取してきた水や藻をスライドガラスにスポイトで垂らすのが「むずかしい・・・」とつぶやきながらやっていたお子さんもいましたが、上手にできていましたよ。最初はなかなか生きものを見つけられなかった保護者も真剣にのぞきこんでいます。
「うわぁ!いたー!」「動いてる!」と大人も大喜び。アオミドロのような糸状のもの、ミジンコ、ケイソウ、ゾウリムシ、ワムシなどたくさんの小さな生きものを見つけることができました。そしてみなさん顕微鏡越しにスマホで撮影ができました。
ケンミジンコのなかま
ミミズのなかま
ミカヅキモのなかま
アオミドロのなかまを顕微鏡で見つけ、スマホで撮りました
今回観察したような水の中で暮らしている微生物は、私たちの暮らし中で大活躍しています。それは水再生センター(下水処理場)です。微生物がたくさんの汚れを食べて二酸化炭素と水に分解して、きれいな水に戻してくれています。新横浜公園のすぐそばを流れる鶴見川は、家庭からの生活排水によって汚れていましたが水再生センターの整備がすすんだおかげで、生きものが豊富な水の環境となりました。生きものの観察をきっかけにこれからも自然環境や私たちの暮らしについて考え、行動していきましょう。
なお、今回観察会のために特別に魚とりや水の採取を行なっており、普段は禁止となっております。また、公園内で捕まえた生きものは放してあげるなどの配慮をお願いいたします。
観察日 : 2020年 8月28日(金)
場 所 : 水路周辺、大池周辺
植 物 : クズ
動 物 : マルカメムシ、ツクツクボウシ、イソヒヨドリ
記事作成: 阿部 裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
一ヶ月前までは雨続きで夏の暑さが待ち遠しかったですが、8月に入ると連日の厳しい暑さ。この日も猛暑に近い気温となり、肌がジリジリと焼けるようで、汗が次々に噴き出してきました。
公園に入るため、堤防の法面階段を下りていると脇にクズが生えていました。そういえば夏が花期だったなと花を探しながら少し歩くと咲き始めているものを発見。花は甘い香りがするため久しぶりに嗅いでみると、あの臭いにおいがしてきました。そう、クズなどマメ科の植物によく付くマルカメムシの臭いです。しかし、黄褐色のカメムシは見当たらず、草色で毛がフサフサ生えている生きものが動き回っています。調べてみるとマルカメムシの幼虫でした。幼虫がこんな姿をしているとは初めて知りました。
秋の七草・クズ 花が咲き始めてきました。
臭いの正体はマルカメムシの幼虫でした。
セミは、アブラゼミ、ミンミンゼミに加えて、ツクツクボウシの「オーシツクツク、オーシツクツク」という鳴き声も聴こえてきます。夏真っ盛りを感じる声ですね。鳴く姿を動画で撮影しようとすると、鳴き声がストップ。セミもこちらの気配を感じたのか分かりませんが、20分ほど待機してようやく鳴き始めてくれました。
ツクツクボウシ
亀の甲橋の橋脚まわりを確認していると、イソヒヨドリの雌を見つけました。ヒヨドリと名前についていますが、冬鳥のツグミと同じヒタキ科に属します。主に海岸の磯場で見られ、ヒヨドリに似ていることが由来のようです。橋脚も崖のようなものですし、こういった環境が好きなんですね。まだ暑い日が続きそうですので、日陰で休息をとりながら無理せず観察をしましょう。
イソヒヨドリ
芝生観察日記の第百五話です。
令和二年8月28日(金)
<~ Road to 2019&2020 ~>
残暑見舞い申し上げます。
早いもので8月も残り4日となりました。記録的な長梅雨の後は、記録的な猛暑日が続いています。体調管理には十分お気をつけください。
日産スタジアムでは、8月23日(日)と26日(水)にJリーグが開催されました。
結果は、マリノスが連勝し、チームに勢いが出てきました。チームが勝ってくれると我々にとっても励みになります。
26日の試合前のフィールド全景です。猛暑に後押しされ、セレブレーション本来の濃緑な色合いで、とてもバミューダグラス系の芝とは思えません。この時季、ティフトン419ではこれだけのゼブラ模様はなかなか出せません。また、8月10日にバーチカルカットを行い、芝生の密度を梳いた中で行われた2試合でしたが、26日の試合には、ほぼ回復して表面上は完全な状態で迎えることができました。
そして、試合後の状況は、バミューダグラス系の芝生特有の、傷口の周りが毛羽立つような細かい傷が散乱しました。刈込みを行えば目立たなくなるというのはブログで何度も書いていますが、この傷はテレビ画面でも結構気になりますし、実際よりも荒れて見えるのが難点です。
日産スタジアムで行われる最近の試合は全てナイターなので、試合後の巡回は照明下というのもあって傷が目立ち辛いものです。照明下で荒れたと感じる場合は、傷みがよっぽど酷い状況が多く、翌朝改めて見てがっかりする場合があります。今回は傷の大小はあっても幸い問題となる状況ではありませんでした。
次回、日産スタジアムで行われるJリーグは9月5日(土)の現在首位の川崎フロンターレ戦です。
それまで10日間あるため、2連戦で傷んだ傷の回復と共に、表面に堆積したサッチの除去や来年に向けて貯蔵養分を蓄える親株を増やすため、7月にも行ったサッチング掛けを実施しました。
今回のサッチング掛けも7月と同仕様で実施しました。次の試合まで2週間程度の養生期間が確保できるならば、バーチカルカットをもう一回実施したいところでしたが、今回は10日しか確保できないのと、残暑もいつまで続くか不透明な部分があるのでダメージが少ない分、効果も薄いサッチング掛けで我慢したのが本音です。
本場アメリカでは、最盛期に毎週バーチカルカットを掛けている芝生だけに、日本の短い夏とスタジアムの利用スケジュールや特殊な環境を考慮すると、この芝生の日本におけるベストな状態という指標の設定が難しいのが現状です。
どんな芝生にも、長所短所があります。長所を伸ばして、日産スタジアムに適した管理指標を構築していきたいと考えています。
毎年、新横浜公園の田んぼに設置されるかかし(案山子)の製作を行いました。
8月9日、感染症予防と熱中症に十分注意を行い、「日産スタジアム運営ボランティア グリーン&クリーン部会」が主管して、横浜市民の限定5家族を募り、かかし(案山子)の製作を行いました。
かかし(案山子)の骨組みと古着などは、ボランティアさんが事前に準備して、参加者が自分たちのイメージで着付けしていきます。
子どもと、お父さん、お母さんとの共同作業は笑顔もあり、ボランティアさんも少々お手伝いしましたが、微笑ましい光景でした。
子どもたちの発想は豊かですね。
顔を書き込んで完成です。かかしへの願いを込めたメッセージも書きました。
10月上旬の稲刈りまで、田んぼの稲と公園の来場者を見守っています。
皆さん、公園に見に来て下さいね。
芝生観察日記の第百四話です。
令和二年8月18日(火)
<~ Road to 2019&2020 ~>
あの長梅雨、日照不足が嘘のようです。
毎日暑い日が続いていますが、皆さまお変わりありませんか。
日産スタジアムがある、新横浜公園の温度計では今日で10日連続の猛暑日となっています。
この間、スタジアムの中では最高気温38.4℃を記録しました。
これはさすがに新記録です。明らかに地球環境が変化しているのを実感します。
この猛暑の中でも、連日作業をしてくれるスタッフには感謝しかありません。
さて、先週実施したバーチカルカットから8日が経過しました。
下の写真は、今日の状況です。
バーチカルカットで切られた匍匐茎から新しい芽が誕生し、日増しに密度を増やしています。
後日散布した化成肥料を良く吸収して、セレブレーション本来の濃い緑色になってきました。
人間は夏バテ気味ですが、芝生は猛暑に元気づけられて、どんどん勢いを増しています。
日産スタジアムでは、今回バーチカルカットを行うにあたって議論を重ねましたが、本場アメリカではシーズン中は毎週のようにバーチカルカットを行うらしく、ようやく本来の生育に一歩近づいたような気がします。同時にセレブレーションと従来のティフトン419との生育の差も改めて実感しています。
上の写真左側は、8月8日の試合でできた傷の跡です。そして、右側が今日の状況です。黄色い楕円の中の変化が判りますか。わずか5日間で傷口が芝生で覆われてきました。23日の試合までには判らなくなるでしょう。
元々、サッカーやラグビーなど激しいスポーツで傷んだ後の回復が早いことからバミューダグラスが競技場やスタジアムの芝生として選ばれており、中でもティフトン419は日本において長い実績がある芝種です。甲子園の外野に使われている芝生もティフトン419です。毎夏あれだけ高校野球の試合を連日行っても、芝が持つのはティフトン419ならではと言えます。
そのティフトン419よりも生育が速いのがセレブレーションということになります。
管理してみて新たに気付くこと。学ぶこと。何年やっても勉強の日々です。
次回は試合後の状況を報告します。