案山子が稲穂を守ります

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前回のスタッフブログでお知らせした通り、事前予約で受付をした8組の親子に案山子(かかし)を作成して頂きました。みなさん素敵な案山子を作って頂いたのですが、当日はあいにくの雨だったため、作成当日に案山子を飾ることはできませんでした。
そして、後日、日産スタジアム運営ボランティアさんにより、すべての案山子が田んぼに飾られました。
それぞれ、個性のある8体の案山子は日産スタジアムを見るように飾られています。8月中旬頃から付け始めた稲穂を鳥から守ってくれます。昨年はボランティアさんが作って頂いた案山子1体でしたが、今年は8体あるため、賑やかです。案山子を作成して頂いた方々、また、新横浜公園にご来園の皆さま、是非、案山子を見に来てください。

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芝生観察日記 第54話

芝生観察日記の第五十四話です。
平成25年9月9日(月)

ザッケローニJAPANが2年ぶりに日産スタジアム(横浜国際総合競技場)へ帰ってきました。
昨夜、明日の「キリンチャレンジカップ2013」のガーナ代表との一戦に向けて豪雨の中、70分ほど練習を行いました。
練習を終えた選手からはピッチコンディションについて好印象であることがうかがわれました。
水分を含んだピッチは普段よりも軟らかいため、根の張りが思わしくない場所は選手が踏み込んだ時や競り合いなどの場面で芝生が凹んだり、傷ができることがあります。

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上の写真は昨夜の練習で傷ついた場所を補修している状況です。
今年は例年よりコンサートの開催回数が多く、芝生を管理する我々グリーンキーパーにとっても悩ましい日々が続いていますが、思い当たる全ての策を講じた結果、何とか代表選を開催する会場として整えられたのかなと安堵しています。

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今年の芝生状況について、SNSやスタジアムのお問い合わせなどに厳しくも、温かいご意見が多く投稿されており、想像以上に多くの皆さんが芝生の状態に関心があるのだと、改めて身が引き締まる思いです。
全ては、明日の試合結果次第だとは思いますが、日本代表サポーターの皆様、ご安心ください。

親子で案山子づくり体験

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8月もそろそろ終わりに近づいてきました。夏が終わると「収穫の秋」となりますが、新横浜公園の田んぼも収穫の秋に備えて準備をします。新横浜公園で育った稲が、鳥に食べられないように案山子(かかし)作りを行いました。
昨年は日産スタジアム運営ボランティアさんに作成して頂きましたが、今年は市民活動支援事業として「親子で案山子(かかし)づくり体験」という運営ボランティアさんが主催のイベントとして案山子を作りました。
今年の6月9日に田植えをして頂いた方々にご案内し、今回は8組32名の方に案山子作りを体験してもらいました。竹を組み合わせるところからスタートです。ノコギリを使う時は、ケガしないように、お父さんと一緒に工具を使います。
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みなさん案山子作りは始めてですが、運営ボランティアさんが丁寧に教えてくれます。それぞれ、ご用意していただいたお子様の古着を着させて、顔を書いて、個性豊かな案山子が出来上がりました。
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見本で運営ボランティアさんが作った案山子も含め、今回は9体の案山子が田んぼを見張ります。ずいぶん賑やかになるでしょう。この日は生憎の雨のため、案山子の設置は後日となります。
最後は作成した参加者のみなさん、運営ボランティアさん、そして案山子の全員で集合写真です。皆さんお疲れ様でした。是非、田んぼに見に来てください。
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芝生観察日記 第53話

芝生観察日記の第五十三話です。
平成25年8月23日(金)

日産スタジアムが開場して初めてとなる3週連続のコンサートが終わりました。8月4日のももいろクローバーZコンサートでは、芝生内にアリーナ席を設けない会場レイアウトだったため芝生へのダメージはありませんでした。サザンオールスターズの際には、前回ご紹介した通り、初めての試みで使用した芝生保護材の効果により39℃を超える猛暑の中でも芝生のダメージは比較的軽くて済みました。
そして、17日、18日の両日に亘って開催された東方神起のコンサート。気温自体はサザンの時より3~4℃低めでしたが、35℃に迫る厳しい猛暑の中、今回は全国のスタジアムコンサートで一般的に使用されているテラプラスという芝生保護材を使用しました。
元々、芝生をアリーナ席として使うコンサートの場合、どこのスタジアムも芝種や環境の違いはあるものの、芝生にはそれなりに大きなストレスがかかり、最悪の場合は張替えのリスクも覚悟して開催判断をします。
下の写真は、サザンオールスターズと東方神起の後の芝生の定点比較です。

8/12 コンサート前の状況 及び コーナー付近を上から撮った状況
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8/19 コンサート後の状況 及び コーナー付近を上から撮った状況
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いかがでしょう。芝生の痛みが伝わるでしょうか。芝生保護材の違いは芝生に与える影響の一因としてありますが、それに加えて今回は2週連続で芝生にストレスがかかったことでダメージが嵩みました。
また、今回テラプラスを撤去して驚いたことは円形の足型部分の葉が赤く焼けていたことです。
通常、コンサートが終わって2、3日経過した後でこのように赤くなることは想定される状況でしたが、今回は夜中に撤去したその段階で赤く焼けていた状況は初めての経験です。それだけテラプラス内が熱かったのだろうと推察できます。確かに8月に入ってずっと30℃を超える厳しい暑さが続いており、夜間温度も下がらない状況で敷設したテラプラス内は50℃を超えていたに違いありません。
コンサートとコンサートの狭間の芝生管理作業も想ったようにできなかったことや天候など色々な要因が積み重なって想定よりも芝生に重いダメージが残りました。
夏場のコンサートにおいては、芝生保護材を被せることで日照阻害や蒸れによる過湿障害、保護材接地面の踏圧障害などが芝生にダメージを残します。また、これに加えて我々が計算しきれないものとして、冬芝(ライグラス)の衰退による裸地化です。
下の写真は、南側のゴール前の状況です。ゴール前は、そもそも混戦で激しく荒れる場所なので芝生自体の状態も決して良好ではなく、大きな大会前などに適宜張替えを行うことがあります。そのため、張替えを行った場所とそうでない場所では芝生の根の下り方にも差があり、激しい利用が続くとその根の差が利用に対するストレス耐性となって正直に現れます。
 
コンサート後アウェー側ゴール前の状況 と 写真の近景状況
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上記、ゴール前の張替え状況 と 張替え後の状況
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土の中に深くまで根を下した周りの芝生は、芝生保護材を撤去した後の回復状況がある程度想定できますが、一度張替えた箇所は根が短く、同じストレスを受けた際のダメージの度合いが想定し辛いのです。そのため、芝生保護材を剥がしてみてビックリというケースが良くあります。
今回は、正にそんなケースの最たる状況で、上の写真は芝生保護材を被せた結果、ライグラスが枯れて衰退し、裸地となった場所の張替え前後の写真です。
気が重い3週間を振り返ってみると、今年の猛暑の中でライグラスがここまで残ってしまっていることは想定外であり、コンサートを迎える前までに全面ティフトンに切り替わってくれていれば張替えの必要はなかったという悔しさが残ります。
年々、地球温暖化のせいか四季の変化が著しい天候になっている気がします。それに伴い、芝生の管理も先が読めない難しさを感じています。
今回のコンサートでは、写真のような裸地がフィールドの所どころに点在してしまいました。首位となったF・マリノスの大事なホームゲームを1週間後に控えて、芝生の生命力に期待する一方で我々もできる限りの策を講じていきます。
競技場の芝生として本来の使い方に支障を来しては本末転倒ですから。

8月10日(土)、港北区主催の水と緑の学校地域交流会が行われました。このイベントは、「身近な自然環境を大切に思う人と人とのつながりを生み、環境活動を地域で継続して行う。」というコンセプトのもと、港北区が主催しています。毎年、鶴見川(亀の子橋付近)と新横浜公園で開催されており、今年も協力という形で参加させていただきました。
15時半、鶴見川流域センターに集合した親子連れの皆さん。まずは鶴見川流域センターにおいて展示物の見学を行いました。
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鶴見川流域センターには工夫した展示が多くあります。右の写真は鶴見川流域全体の地図が床一面に描かれているものです。みんな自分達のお家があるか探しています。
暑さも少し和らいだ16時、流域センターを出発して、亀の子橋の下へ到着です。
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亀の子橋では鶴見川に入り、網を使って水生生物を取ってもらいました。鶴見川は一級河川という大きな川で、川遊びは危険が伴うため、入る前には注意事項を説明します。
そして、必ずライフジャケットを着用して川に入ります。事前にスタッフの方が安全ロープを張り、その中だけでの採取となりました。
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そして、数種類の水生生物を見つけることができました。
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(A)アメリカザリガニやヌマエビ、(B)アジアイトトンボのヤゴ、他にもコオニヤンマのヤゴも捕まえることができました。
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スタッフの方が投網を使って魚も捕まえてくれました。ボラ、マハゼ、オイカワ、マルタウグイ、アユです。それらを一つひとつ丁寧に説明してくれました。
その後、新横浜公園内にある日産フィールド小机に移動して諸室を使って、遊水地機能の説明、本日の思い出を隣の人と話し合う交流会を行いました。普段は知らない新横浜公園の遊水地機能を知って頂く良い機会となりました。
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そしてうす暗くなったら、当日日産スタジアムで開催されていたサザンオールスターズのメロディーをBGMに新横浜公園内の夜の探検スタートです。懐中電灯を手に昆虫を探します。前夜からTRネットさんにトラップを仕掛けてもらい、カブトムシが見つかると子供達の歓声があがりました。
この日採取できたのはカブトムシ、コクワガタ、カナブン、シロテンハナムグリです。鶴見川の水生生物も新横浜公園の昆虫たちも今回のイベントのために採取し、終了後は川または、公園内に放しました。このような採取した場所で戻すということも環境活動として大事なこととなります。
最後にアンケートを書いてもらって終了しました。
参加して頂いた親子の方には夏休みのいい思い出となったのではないでしょうか。まだ、夏休みは続きます。是非、新横浜公園で生き物を探してみてください。その際は帽子と飲み物をお忘れなく。

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