観察日 : 2020年 3月17日(火)
場 所 : 大池周辺、田んぼ周辺
生きもの: コガモ、ホシハジロ、ツバメ、モズ
記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
3月になり、どんどん暖かくなるのかと思いきや、雪が降ったり、全然気温が上がらない日が続いたりと、なんだか変な天候が続いています。さて、数日ぶりに良い天気になったので新横浜公園の観察に行ってみました。もうすぐそこまで春がやってきていますが、春らしい生きものには出会えるでしょうか?
まずは大池周辺から観察スタートです。冬の間、その姿を何度も見せてくれた「コガモ」や「ホシハジロ」といったカモの仲間たちが水面に浮かびながら日向ぼっこをしていました。どちらも冬鳥なので、もう少しすると北の方へと帰っていきます。次の冬までしばしのお別れと思うと少しさみしい気もしますが、また元気な姿を見るのが楽しみです。
コガモ(♂)
ホシハジロ(♀)
大池でカモたちの観察をしていると、その頭上を何かが素早く横切っていきました。カメラを構えてシャッターを切ってみますが、早すぎてなかなか追いつけません。それでも粘ること約20分。ギリギリ種類が分かるレベルですが、やっと写真に収まってくれました!夏鳥の代表選手「ツバメ」です。
ものすごいスピードで飛び回るツバメ
「ツバメ」は、3月頃から日本に渡ってきます。新横浜公園の近くだと例年、JR小机駅の構内で営巣している様子が観察できます。今日公園内で観察できたのはざっくり数えて10羽程で、大池周辺でユスリカ類などの小型昆虫を捕食していたものと思われます。当初の目的どおり、春らしい生きものに出会えました!
写真もそれなりに撮れたので、そろそろ撤収をしようと思い、公園内の田んぼ付近を歩いていると、見慣れたオレンジ色がかった鳥がフェンスにとまっていました。私の記事ではおなじみの「モズ」です。
モズ(♂=眼過線は濃い黒で羽に白紋あり)
モズ(♀=眼過線は淡色で羽の白紋なし)
個人的に好きな鳥3本の指に入る「モズ」。相変わらず愛嬌たっぷりで癒やされました。今年も"はやにえ"や、さえずる様子を見せてくれるのでしょうか?今から楽しみです。
春はすぐそこまでやってきていますが、手洗い・うがいをしっかりして、体調を崩さないように十分にご注意ください!
麻生養護学校元石川分教室の生徒さんに植えて頂いた中央広場花壇のパンジーの花は春の訪れを待っています!
麻生養護学校元石川分教室インターンシップ実習受入れも、今年で4年目を迎えます。
インターンシップ実習の受入れ趣旨に賛同していただきましたサカタのタネ グリーンサービス株式会社様より、花苗(パンジー)600ポットのご提供をいただき、10月9日(水)に新横浜公園中央広場10箇所の花壇の植替え作業を行いました。
今回も日産スタジアム運営ボランティア(グリーン&クリーン部会)8名の方に実習のお手伝いをいただきました。
実習生代表者の方から元気よく朝のご挨拶をしていただきました。
実習生を3グループに分け、日産スタジアム運営ボランティアの皆さんに花植え方法をご指導いただきました。
実習生による花植え作業風景です。
植え付けが終わったら、皆で協力して植えた花の水やりを行っています。
※上記画像は、麻生養護学校元石川分教室より提供していただいております。
週に1回程度、日産スタジアム運営ボランティアの方々に「水遣り」「草取り」を行っていただいております。
実習生が丁寧に植え付けていただいたパンジーの苗木ですが、2019年の台風19号の影響で、残念ながら枯れてしまった苗木もありますが、残ったパンジーの花は元気に生育して春には利用者の目を楽しませていただけると思っております。
また、新横浜公園には、他にもいろんな種類の花や樹木が植えられています。是非そちらも一緒にご覧になってください。
来年度も日産スタジアムは麻生養護学校元石川分教室インターンシップ実習受入を行います。
麻生養護学校元石川分教室の皆さんありがとうございました。
観察日 : 2020年 2月19日(水)
場 所 : 大池周辺
生きもの: ムクドリ、ミシシッピアカミミガメ、オオジュリン
記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
2月とは思えない暖かさ。スマートフォンで気温を調べてみると12℃もありました。朝晩はまだまだ冷えますが、日中だけ見ると確かに暖冬なんだなぁと思わされます。さて、こんなに暖かい日ですが、今回はどんな生きものに出会えるでしょうか?
大池に向かい歩いている道中、辺りから「ジュジュジュジュッ!」と大きな鳴き声が聞こえてきました。近くの木の枝に目をやると見慣れた黒っぽい小さな鳥が数羽とまっていました。皆さんも見かける機会が多いはずの「ムクドリ」です。
辺りを見回すムクドリ
グレーに近い黒と白の体に鮮やかなオレンジ色の嘴を持つスズメより一回りほど大きな鳥です。こちらの様子をうかがっているのか、辺りをキョロキョロと見まわしていました。庭木の実を食べに来ることもあるのでガーデニングをされる方からは嫌厭されがちですが、人間から見て害虫となるようなガやケムシ、バッタ類も食べています。我々の知らないところでプラスになることをしてくれているのであまり嫌わないであげてくださいね!
ムクドリのいる木を通り過ぎ、大池にやってきました。日当たりの良い場所に目を向けると、大きく育った「ミシシッピアカミミガメ」が気持ちよさそうに甲羅干しをしているところでした。
甲羅干し中のミシシッピアカミミガメ軍団
まだ2月の中旬だというのにカメを観察できるとは思いませんでした。しかし、寒暖差がまだ激しいせいか、カメたちもどことなく眠そうに見えました。
少々暗い話になりますが、今や悪い意味で最も有名なカメといっても過言ではなくなってきている「ミシシッピアカミミガメ」。過去の記事にも書かせていただいた通り、飼育されていたものが逃げ出したり、捨てられたりして日本各地で在来の生態系にダメージを与えていると言われています。もとはといえばモラルのない飼育者がこの問題の元凶とも言えます。もし現在飼育しているという方は決して逃がしたり、捨てたりせず最期まで飼育してあげてください。大切に育てて長い付き合いになれば上の写真のような癒される姿を見せてくれると思います。何度も同じような話を書いているような気もしますが、少しでもカメと人間がWIN-WINならぬHAPPY-HAPPYの関係になるきっかけになれば幸いです。
カメたちが甲羅干しをしている後方に木があり、小さな鳥が1羽、枝から枝へ行ったり来たりしているのが目に入りました。カメラ越しに見てみると「オオジュリン」でした。
オオジュリン
「オオジュリン」は、この仲間の中で体がやや「大」きく、鳴き声が「チュイーン」と鳴くように聞こえることから、「オオジュリン」という名前になったという説が有力なようです。今回は残念ながらその鳴き声を聞くことはできませんでしたが、機会があれば是非聞いてみたいものです。
暖かくなってきたとはいえ、朝晩の寒暖差は厳しい今日このごろです。体調を崩さないように十分に注意しながらフィールドワークをお楽しみください!
観察日 : 2020年 2月5日(水)
場 所 : 大池、草地広場、バタフライガーデンなど
動 物 : コガモ、オオバン
植 物 : オオイヌノフグリ、ホトケノザ、河津桜
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
今回は、少し気分を変えて早朝から観察にでかけました。冬晴れのよい天気で風が吹くと肌がピリッとします。大池の水面はとても穏やかです。岸辺の土が白くなっているところがあったため、霜柱が立っているのだと思って一歩踏み入れると、期待していたザクッ、という感触はなく、よく見るとガマの綿毛の種子でした。前にも同じようなことを書いたなと見返してみると、去年の1月29日でした。(生きもの観察日記304)
大池の様子
霜柱のように見えますが、、
ヒメガマの種子でした
水辺で休んでいるコガモには、朝日と水面で反射した光が当たって輝き、神々しく見えました。排水門付近にもコガモの群れがいて、こちらは泳ぎながら「ピッピー、ピッピー」と鳴き合って、とてもにぎやかな様子でした。
草地広場には、真ん中あたりにオオバン隊。修景池まわりで採食しているのをよく見かけていましたが、こんなところまで進出しているとは、ちょっとびっくりしました。じりじりと餌と安全を確かめながら行動範囲を広げているんでしょうか。オオバンの行動おもしろいですね。少し見ていると、前から犬のお散歩がやってきて、バタバタと羽ばたき走る感じでホーム?の修景池まで戻っていきました。
光が当たって輝いているコガモ / 雄(奥)、雌(手前)
オオバン隊が草地広場の真ん中あたりまで!
オオバン(別日撮影)
冬場の観察はどうしても鳥メインになってしまうので、足もとの草花にも目を向けてみました。朝は冷え込みましたが、日中は気温が上がって15℃近くなり春のよう。草っぱらで寝ころびたくなります。
朝はほとんど見られなかったオオイヌノフグリの花が、今だー!とばかりに一斉に開花して、太陽の光を受けていました。日の光によって花が開閉するようですので、みんな待っていたんでしょうね。そばにはホトケノザも咲いていました。下の花びらについている模様は、飛んでいる虫などに蜜の存在を知らせている蜜標とよばれるもの。写真では見えませんが、上の花びらにも奥へと誘導する線が入っているので、見つけたらぜひ見てみてください。オオイヌノフグリの花びらについている線も蜜標です。どうしてわざわざそんなおもてなしをしなければいけないかというと種子をつくるため。虫がやってきてくれたときに花粉が付き、別の同種の花を訪れると花粉が雌しべに付いて種子ができます。花粉の運び屋を虫にお願いしているものを虫媒花といいます。一方、これからの時期、私を含めてたくさんの人が悩まされる花粉症は、運び屋を風に頼っている植物になります。
オオイヌノフグリ
ホトケノザ
なんだか目がかゆく鼻がムズムズしてきたので話を変えて、バタフライガーデンで終わりたいと思います。ここにはチョウの吸蜜や食草になる植物がたくさん植えられていますが、ちょうど河津桜が開花しており、3輪見ることができました。河津桜は、1955年に静岡県の河津町で発見され、オオシマザクラ系とカンヒザクラ系の自然交配種と考えられているようです。満開まで1ヶ月ほどかかるため、これからしばらく楽しめそうですね。
バタフライガーデンの河津桜
芝生観察日記の第九十四話です。
令和2年1月28日(火)
<~ Road to 2019&2020 ~>
寒中お見舞い申し上げます。
暖冬、暖冬と言いつつも、やはり寒さが身に沁みる季節となりました。
皆さまにおかれましては、いかがお過ごしでしょうか。
早いもので令和2年も、既に1か月が過ぎようとしています。
Jリーグの日程も発表され、我らがF・マリノスの開幕戦は、2月23日(日)にホーム日産スタジアムでガンバ大阪を迎え撃つこととなりました。
チームは既に始動しておりますが、開幕戦に向けて日産スタジアムの芝生も少しずつコンディションを上げていかなければなりません。
昨年末から殆どの期間で霜よけと保温を目的としたシートが掛かっていました。
暖冬なのは事実ですが、まだまだ芝生にとっては厳寒期であり、通常の年であれば目立った管理作業が求められるわけではありませんが、今年は過去20年間で一度もこの時期に実施したことがないエアレーションを行いました。
芝生は、昨年行われたラグビーワールドカップのダメージをまだ引きずっており、大事な開幕に向けて出遅れている感じは否めません。
しかし、Jリーグチャンピオンとして開幕を迎える選手達をできる限りサポートしたい。その思いから、我々もチャレンジしようと決めました。
この時期のエアレーションは、寒地型芝のライグラスには一定の効果が期待できる反面、休眠中の暖地型芝であるバミューダグラスにはリスクを伴う可能性があります。
目的としては、ライグラスの分けつ促進とハイブリッド化された芝生の硬度改善です。昨夜は雪が混じる冷たい雨となりましたが、長期予報では例年よりも気温が高めとの予報が出ていることからエアレーションの効果は期待できると考えています。
現在は再びシートを掛けて養生中です。
次回は、開幕戦前の状況をお伝えしたいと思います。
それでは、まだまだ寒い日が続きますがご自愛ください。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。