観察日 : 2020年 2月19日(水)
場 所 : 大池周辺
生きもの: ムクドリ、ミシシッピアカミミガメ、オオジュリン
記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
2月とは思えない暖かさ。スマートフォンで気温を調べてみると12℃もありました。朝晩はまだまだ冷えますが、日中だけ見ると確かに暖冬なんだなぁと思わされます。さて、こんなに暖かい日ですが、今回はどんな生きものに出会えるでしょうか?
大池に向かい歩いている道中、辺りから「ジュジュジュジュッ!」と大きな鳴き声が聞こえてきました。近くの木の枝に目をやると見慣れた黒っぽい小さな鳥が数羽とまっていました。皆さんも見かける機会が多いはずの「ムクドリ」です。
辺りを見回すムクドリ
グレーに近い黒と白の体に鮮やかなオレンジ色の嘴を持つスズメより一回りほど大きな鳥です。こちらの様子をうかがっているのか、辺りをキョロキョロと見まわしていました。庭木の実を食べに来ることもあるのでガーデニングをされる方からは嫌厭されがちですが、人間から見て害虫となるようなガやケムシ、バッタ類も食べています。我々の知らないところでプラスになることをしてくれているのであまり嫌わないであげてくださいね!
ムクドリのいる木を通り過ぎ、大池にやってきました。日当たりの良い場所に目を向けると、大きく育った「ミシシッピアカミミガメ」が気持ちよさそうに甲羅干しをしているところでした。
甲羅干し中のミシシッピアカミミガメ軍団
まだ2月の中旬だというのにカメを観察できるとは思いませんでした。しかし、寒暖差がまだ激しいせいか、カメたちもどことなく眠そうに見えました。
少々暗い話になりますが、今や悪い意味で最も有名なカメといっても過言ではなくなってきている「ミシシッピアカミミガメ」。過去の記事にも書かせていただいた通り、飼育されていたものが逃げ出したり、捨てられたりして日本各地で在来の生態系にダメージを与えていると言われています。もとはといえばモラルのない飼育者がこの問題の元凶とも言えます。もし現在飼育しているという方は決して逃がしたり、捨てたりせず最期まで飼育してあげてください。大切に育てて長い付き合いになれば上の写真のような癒される姿を見せてくれると思います。何度も同じような話を書いているような気もしますが、少しでもカメと人間がWIN-WINならぬHAPPY-HAPPYの関係になるきっかけになれば幸いです。
カメたちが甲羅干しをしている後方に木があり、小さな鳥が1羽、枝から枝へ行ったり来たりしているのが目に入りました。カメラ越しに見てみると「オオジュリン」でした。
オオジュリン
「オオジュリン」は、この仲間の中で体がやや「大」きく、鳴き声が「チュイーン」と鳴くように聞こえることから、「オオジュリン」という名前になったという説が有力なようです。今回は残念ながらその鳴き声を聞くことはできませんでしたが、機会があれば是非聞いてみたいものです。
暖かくなってきたとはいえ、朝晩の寒暖差は厳しい今日このごろです。体調を崩さないように十分に注意しながらフィールドワークをお楽しみください!
観察日 : 2020年 2月5日(水)
場 所 : 大池、草地広場、バタフライガーデンなど
動 物 : コガモ、オオバン
植 物 : オオイヌノフグリ、ホトケノザ、河津桜
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
今回は、少し気分を変えて早朝から観察にでかけました。冬晴れのよい天気で風が吹くと肌がピリッとします。大池の水面はとても穏やかです。岸辺の土が白くなっているところがあったため、霜柱が立っているのだと思って一歩踏み入れると、期待していたザクッ、という感触はなく、よく見るとガマの綿毛の種子でした。前にも同じようなことを書いたなと見返してみると、去年の1月29日でした。(生きもの観察日記304)
大池の様子
霜柱のように見えますが、、
ヒメガマの種子でした
水辺で休んでいるコガモには、朝日と水面で反射した光が当たって輝き、神々しく見えました。排水門付近にもコガモの群れがいて、こちらは泳ぎながら「ピッピー、ピッピー」と鳴き合って、とてもにぎやかな様子でした。
草地広場には、真ん中あたりにオオバン隊。修景池まわりで採食しているのをよく見かけていましたが、こんなところまで進出しているとは、ちょっとびっくりしました。じりじりと餌と安全を確かめながら行動範囲を広げているんでしょうか。オオバンの行動おもしろいですね。少し見ていると、前から犬のお散歩がやってきて、バタバタと羽ばたき走る感じでホーム?の修景池まで戻っていきました。
光が当たって輝いているコガモ / 雄(奥)、雌(手前)
オオバン隊が草地広場の真ん中あたりまで!
オオバン(別日撮影)
冬場の観察はどうしても鳥メインになってしまうので、足もとの草花にも目を向けてみました。朝は冷え込みましたが、日中は気温が上がって15℃近くなり春のよう。草っぱらで寝ころびたくなります。
朝はほとんど見られなかったオオイヌノフグリの花が、今だー!とばかりに一斉に開花して、太陽の光を受けていました。日の光によって花が開閉するようですので、みんな待っていたんでしょうね。そばにはホトケノザも咲いていました。下の花びらについている模様は、飛んでいる虫などに蜜の存在を知らせている蜜標とよばれるもの。写真では見えませんが、上の花びらにも奥へと誘導する線が入っているので、見つけたらぜひ見てみてください。オオイヌノフグリの花びらについている線も蜜標です。どうしてわざわざそんなおもてなしをしなければいけないかというと種子をつくるため。虫がやってきてくれたときに花粉が付き、別の同種の花を訪れると花粉が雌しべに付いて種子ができます。花粉の運び屋を虫にお願いしているものを虫媒花といいます。一方、これからの時期、私を含めてたくさんの人が悩まされる花粉症は、運び屋を風に頼っている植物になります。
オオイヌノフグリ
ホトケノザ
なんだか目がかゆく鼻がムズムズしてきたので話を変えて、バタフライガーデンで終わりたいと思います。ここにはチョウの吸蜜や食草になる植物がたくさん植えられていますが、ちょうど河津桜が開花しており、3輪見ることができました。河津桜は、1955年に静岡県の河津町で発見され、オオシマザクラ系とカンヒザクラ系の自然交配種と考えられているようです。満開まで1ヶ月ほどかかるため、これからしばらく楽しめそうですね。
バタフライガーデンの河津桜
芝生観察日記の第九十四話です。
令和2年1月28日(火)
<~ Road to 2019&2020 ~>
寒中お見舞い申し上げます。
暖冬、暖冬と言いつつも、やはり寒さが身に沁みる季節となりました。
皆さまにおかれましては、いかがお過ごしでしょうか。
早いもので令和2年も、既に1か月が過ぎようとしています。
Jリーグの日程も発表され、我らがF・マリノスの開幕戦は、2月23日(日)にホーム日産スタジアムでガンバ大阪を迎え撃つこととなりました。
チームは既に始動しておりますが、開幕戦に向けて日産スタジアムの芝生も少しずつコンディションを上げていかなければなりません。
昨年末から殆どの期間で霜よけと保温を目的としたシートが掛かっていました。
暖冬なのは事実ですが、まだまだ芝生にとっては厳寒期であり、通常の年であれば目立った管理作業が求められるわけではありませんが、今年は過去20年間で一度もこの時期に実施したことがないエアレーションを行いました。
芝生は、昨年行われたラグビーワールドカップのダメージをまだ引きずっており、大事な開幕に向けて出遅れている感じは否めません。
しかし、Jリーグチャンピオンとして開幕を迎える選手達をできる限りサポートしたい。その思いから、我々もチャレンジしようと決めました。
この時期のエアレーションは、寒地型芝のライグラスには一定の効果が期待できる反面、休眠中の暖地型芝であるバミューダグラスにはリスクを伴う可能性があります。
目的としては、ライグラスの分けつ促進とハイブリッド化された芝生の硬度改善です。昨夜は雪が混じる冷たい雨となりましたが、長期予報では例年よりも気温が高めとの予報が出ていることからエアレーションの効果は期待できると考えています。
現在は再びシートを掛けて養生中です。
次回は、開幕戦前の状況をお伝えしたいと思います。
それでは、まだまだ寒い日が続きますがご自愛ください。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
観察日 : 2020年 1月22日(水)
場 所 : 水路、大池、第3駐車場周辺
生きもの: キジバト、ハクセキレイ、ミコアイサ、カンムリカイツブリ、メジロ
記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
暖冬と言われていますが、冷え込む日が続いています。暑がりの私でもさすがにマフラーとニット帽が手放せなくなってきました。
今回は、いつもと時間を変えて、早朝に観察をしてみました。まずは水路沿いを散策します。すると、早速私の「好きな鳥」の中で5本の指に入る「キジバト」が木の枝にとまり、じぃ~っとこちらを見ていました。
キジバト (上:枝の上からこちらの様子を伺っています。 下:水を飲む同個体。)
写真を撮っている間、キジバトはこちらへの注意をそらすことはなく、にらめっこをしているような気分でした。写真を取り終えて、数歩近づくと水路へ飛んでいってしまい、緊張して喉が渇いたのか、水を飲んでいました。
水を飲むキジバトに気を取られていて気が付きませんでしたが、すぐ近くに「ハクセキレイ」がやってきていました。
ハクセキレイ
新横浜公園周辺でよく見られる白と黒の羽を持つ小さな鳥です。「セキレイ」という名前は、「背筋がピンと伸びておりキレイな姿勢」からつけられたそうです。ハクセキレイは顔が白いので、「白(はく)セキレイ」となったようですね。確かに、言われてみれば背筋がピンと伸びていますね。(羨ましい限りです・・・。)
水路から一旦離れて、大池沿いにやってきました。すると、すでに観察者が10名ほどおり、「ミコアイサ」や「カンムリカイツブリ」などの水鳥を観察していました。これらの鳥たちは前回号でも紹介させていただいたので、説明は省略します。
ミコアイサ
カンムリカイツブリ
いつもカラスやドバトといった黒っぽい鳥を多く見ているせいか、白っぽい体色の鳥は冬の大池の景色の中では目を引きますね。
写真も大体撮影できたので、まだ見ていない日産フィールド小机の周辺だけ観察をしてから撤退しようと思い、すぐ脇の駐車場周辺までやってきました。すると、木の上から「チー、チー」と鳴き声が聞こえます。ですが、なかなかその姿が見えません。辛抱すること約5分。やっと駐車場脇の生け垣に移動してくれました!「メジロ」です。
メジロ
名前の通り、目の周りが白く縁取られているのが特徴です。春を告げる鳥としても有名ですね。もう少しすると各地で梅の花の蜜を吸う姿が見られます。個人的には今から大変楽しみです。
寒さはこれからが本番です。防寒対策をしっかりして、フィールドワークをお楽しみください!
観察日 : 2020年 1月14日(火)
場 所 : 中央広場、大池など
生きもの: モズ、ミコアイサ、カンムリカイツブリ、シメ
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
あけましておめでとうございます! / モズ(雌)
新年最初の観察はぽかぽかと暖かく天気に恵まれてスタートしました。トップバッターの生きものは、モズです。中央広場の木の枝にとまって、尾をクルックルッと回しながら盛んに鳴いていました。写真だけで見ると「あけましておめでとう!」と言っているようだなと思いました。吹き出しをつけたら、みなさんは何と書きますか?
大池の方に行ってみると、観察者は10名ほど。レンズの先にいたのは、カモの仲間のミコアイサでした。今シーズンもやってきてくれてとても嬉しいですね。ペアで一緒にいるところを狙いますが、水面に浮いてきてもすぐに潜ったり、少し離れてしまったりで、デジスコ(デジタルカメラ+フィールドスコープ(単眼鏡))で撮影するのには少々苦戦しました。カンムリカイツブリは2羽、とても仲良さそうに泳いでいました。他に見られた水辺の鳥は、ハシビロガモ、オカヨシガモ、コガモ、カルガモ、キンクロハジロ、オオバン、バン、アオサギ、コサギ、カワウなどでした。
今シーズンもやってきてくれたミコアイサ / 雄(左)、雌(右)
カンムリカイツブリ 仲がよさそうですね。
最後は、締めくくるのにこれ以上ピッタリな鳥はいないでしょう。シメです!(やっと使える時がきました 笑) 観察終盤で、なにかもう1つ出てくれないかなと探していたときに発見できたので、本当に奇跡的でした。写真では見えませんが、喉に大きな黒斑があるのが特徴です。同じアトリ科では、カワラヒワが新横浜公園でよく見られます。
リハビリテーションセンター入口交差点のループ橋で多くの方が野鳥観察をされていますが、車道での観察はとても危険で、駐車場を利用される方からの注意もきているようです。安全でマナーを守った観察をお願いいたします。
シメ