観察日 : 2019年 10月9日(水)
場 所 : 大池、園内水路
植 物 : オギ
動 物 : 【鳥】ヒドリガモ、カルガモ、オナガガモ、バン、タシギ 【魚】コイ
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
10月に入っても暑い日が続いていましたが、涼しくなりようやく秋が感じられるようになってきました。水路に生えるオギは、銀色の穂が太陽の光でより輝き、風になびいてとても美しいです。
オギの穂波 秋の水辺の美しい風景ですね。
大池には、秋の到来を感じさせる鳥がやってきていました。北の国から越冬するために日本に渡ってくるカモの仲間です。新横浜公園があるこの付近は、鶴見川の中・下流域で淡水低湿地環境が広がっている場所であり、カモの仲間が多く見られます。冬鳥のカモは、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロの5種が確認できました。
オナガガモの近くには、クイナの仲間で留鳥(年中見られる鳥)のバンもいました。ヒシが枯れて茶色くなると保護色で安心するんでしょうね。積極的にヒシの上を歩いて餌をとっている姿を見ることができました。
ヒドリガモ(奥:冬鳥)とカルガモ(手前:留鳥)
オナガガモ
バンの幼鳥 枯れたヒシの色とそっくりです。
オナガガモやバンの写真を撮影していると、水面のあちこちから「バフッ、バフッ」と音が聞こえてきます。揺れている水面を見ると、黒い物体がヌッと現れました。正体はコイでした。バフッという音は、ヒシを吸い込んで食べている音のようです。ヒシの実は、とても堅く、鋭いトゲを2つ持っていますが、のどにある咽頭歯で問題なく砕けるものなのかとても気になりました。
ヒシを食べるコイ
一通り大池を観察した後、水路の様子も見ていきます。メドウガーデンそばの水路にはタシギがいました。ここでは、秋から冬の間出会うことができます。たいていこちらが見つけるよりも先に気づかれて「ジェッ!」と鳴いて、飛ばれてしまうのですが、今回は私が勝ちました。アシがうまいこと目隠ししてくれていたのかなと思います。
これからカモなどの冬鳥がおもしろい季節です。みなさんはどんな生きものと出会えるか、ぜひ楽しみに観察にいらしてください。
(※2019年10月16日現在、台風19号の影響で未だ北側園地は封鎖しております。開放次第いらしてください!)
アシの緑越しのタシギ いい感じです。