観察日 : 2019年 10月11日(金)

場 所 : 大池周辺、修景池周辺

動 物 : オオバン、カワセミ、ハシビロガモ、アオサギ、コクワガタ

記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 暑さもだいぶやわらぎ、過ごしやすくなってきました。ですが、観察にやってきた今日10/11は台風19号の首都圏直撃の前日ということで、雨が降ったりやんだりと不安定な天気でした。そんな中でも、思いのほかたくさんの生きものたちを観察することができました。

 

 大池沿いを歩いてみると、毎年寒くなってくると見かける白い鼻筋に全身真っ黒な羽の冬鳥、オオバンが1羽だけエサを探していました。

 DSCF4301.jpgオオバン

 

 しばらく様子を見ていましたが、こちらのカメラが気になるのか、エサを探すのをやめてしまったので、これ以上邪魔をしないようにその場からそっと離れました。

今度は修景池まで来てみました。すると、壁の上にカワセミがいました!降ってきた雨になんだか不満そうに首を傾げているようでした。

DSCF4308.jpg首を傾げるカワセミ

 

 エサを捕る瞬間を待ってみましたが、思うようにはいかず、そのまま飛び去ってしまいました。

 

 雨足も強くなってきましたが、最後にもう一度大池の様子を見てから引き上げようと思い、少し歩いてみると、鳥たちがちらほら見受けられました。ハシビロガモは毎年寒くなると新横浜公園にやってくる冬鳥で、(くちばし)が幅広いのでこの名前があります。アオサギはかなりの回数登場してもらっていますが、今回見かけた個体は雨に羽が濡れて気持ち悪いのか、ずっと羽繕いをしていました。

DSCF4311.jpgハシビロガモ

DSCF4329.jpg羽繕いをするアオサギ

 

  おまけですが、帰りがけに、木が多く植えられているポイントを通ってみると、めくれた樹皮の裏にコクワガタのオスが隠れていました。もう10月も半ばですが、動きはまだまだ機敏でした。無事に冬を越してくれることを祈るばかりです。

201910月②コクワガタ.jpg樹皮の隙間にいたコクワガタ

 

 ここ最近、天候が不安定な日が多いので、気象情報と体調に注意しながらフィールドワークをお楽しみください!

ハシビロガモほか場所.jpg

観察日 : 2019年 10月9日(水)

場 所 : 大池、園内水路

植 物 : オギ

動 物 : 【鳥】ヒドリガモ、カルガモ、オナガガモ、バン、タシギ 【魚】コイ

記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 10月に入っても暑い日が続いていましたが、涼しくなりようやく秋が感じられるようになってきました。水路に生えるオギは、銀色の穂が太陽の光でより輝き、風になびいてとても美しいです。

DSCN7150.jpg オギの穂波 秋の水辺の美しい風景ですね。

 

 大池には、秋の到来を感じさせる鳥がやってきていました。北の国から越冬するために日本に渡ってくるカモの仲間です。新横浜公園があるこの付近は、鶴見川の中・下流域で淡水低湿地環境が広がっている場所であり、カモの仲間が多く見られます。冬鳥のカモは、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロの5種が確認できました。

 

 オナガガモの近くには、クイナの仲間で留鳥(年中見られる鳥)のバンもいました。ヒシが枯れて茶色くなると保護色で安心するんでしょうね。積極的にヒシの上を歩いて餌をとっている姿を見ることができました。

DSCN7028.jpgヒドリガモ(奥:冬鳥)とカルガモ(手前:留鳥)

DSCN7087.jpgオナガガモ

DSCN7091.jpgバンの幼鳥  枯れたヒシの色とそっくりです。

 

 オナガガモやバンの写真を撮影していると、水面のあちこちから「バフッ、バフッ」と音が聞こえてきます。揺れている水面を見ると、黒い物体がヌッと現れました。正体はコイでした。バフッという音は、ヒシを吸い込んで食べている音のようです。ヒシの実は、とても堅く、鋭いトゲを2つ持っていますが、のどにある咽頭歯で問題なく砕けるものなのかとても気になりました。

DSCN7107.jpgヒシを食べるコイ

 

 一通り大池を観察した後、水路の様子も見ていきます。メドウガーデンそばの水路にはタシギがいました。ここでは、秋から冬の間出会うことができます。たいていこちらが見つけるよりも先に気づかれて「ジェッ!」と鳴いて、飛ばれてしまうのですが、今回は私が勝ちました。アシがうまいこと目隠ししてくれていたのかなと思います。

 

 これからカモなどの冬鳥がおもしろい季節です。みなさんはどんな生きものと出会えるか、ぜひ楽しみに観察にいらしてください。

(※2019年10月16日現在、台風19号の影響で未だ北側園地は封鎖しております。開放次第いらしてください!)

DSCN7141.jpgアシの緑越しのタシギ いい感じです。

オナガガモほか場所.jpg

 「新横浜公園四季折々の生きもの観察会」(協賛:株式会社春秋商事)の4回目の観察会を開催しました。

 

 今回は新横浜公園を花の魅力あふれる場所にしていくべく「ヤブカンゾウの植栽体験」をしました!

 

 講師は特定非営利活動法人鶴見川流域ネットワーキング(以下npoTRネット)さんです。

2019生きもの④_1.jpgnpoTRネット 阿部さん

 

 出発前に阿部さんより観察時の注意を教えていただきました。スズメバチと遭遇してしまった場合はむやみに払ったりしないよう注意がありました。

 

 みんな注意を頭に入れつつ観察スタートです。

2019生きもの④_2.jpg出発です!

 

 はじめに、ヤブカンゾウの植栽体験を行ないました。ヤブカンゾウは種ではなく根が横に伸び、そこから新たな株をつくることで増えていきます。今回はあらかじめスタッフにて耕していたポイントへ移植ごてを使って、苗を植えていきます。

2019生きもの④_3.jpgこちらに植えていきます

2019生きもの④_4.jpg根が横に伸びているのがわかりますか?

2019生きもの④_5.jpgみんなで植えています!

2019生きもの④_6.jpg完了です!!

 

 今回130株ほどを植えました。一年で株が2倍になると言われているので、来年は260株になる計算です!!例年6~7月頃に花を咲かせます。

2019生きもの④_7.jpgヤブカンゾウの花(提供:npoTRネット)

おしべとめしべが花弁状になり、八重咲きになります。写真はおしべも混じっています。

 

 ちなみに園路をはさんで向かい側には「ハマカンゾウ」を植えています。こちらは例年8~9月頃に花を咲かせます。まだ株が小さいものが多いため今年開花したのは、2株でしたが来年はもっと咲かせてくれるでしょう。

2019生きもの④_8.jpgハマカンゾウの花(提供:npoTRネット)/ 7月31日撮影

 

 カンゾウが花畑として広がっている場所が台湾の東部にある「六十石山」というところにあります。ここまで!とは言いませんが、新横浜公園も花でいっぱいになると良いですね。

2019生きもの④_9.jpgカンゾウが群生している台湾の六十石山(提供:npoTRネット)

 

 次に公園内の自然観察をしました。

 

 修景池ではカワセミがホバリングをしており、観察をしていると・・・なんと池にいるモツゴを捕食する瞬間を見ることができました!

 

 あまりの素早さにカメラにおさめることはできませんでしたが、貴重な瞬間に立ち会うことができました。

 

 続いてヤブカンゾウ・ハマカンゾウを含む「キスゲ(ワスレグサ)」についての講義です。npoTRネット代表理事・慶応義塾大学名誉教授の岸由二先生によるスライドを使った屋内でのお話です。

2019生きもの④_10.jpgnpoTRネット代表理事・慶応義塾大学名誉教授 岸由二先生

 

 キスゲは英名:Day Lilyの名の通り、約1日で花が枯れてしまいます。日本では古く万葉集や土佐日記に記述があり、園芸品種は8万種にもおよぶとされています!!

 

 台湾では「金針花」といわれるキスゲの一種が食用とされており、つぼみはスープに入れたり、おひたしや炒めて食べられたりしており、とても美味しいそうです。

 

 npoTRネットは、鶴見川の源流から河口までの川辺でノカンゾウ・ヤブカンゾウ・ハマカンゾウの大群落を育成していく「花さく鶴見川」プロジェクトを推進しています。NPO・企業・市民・行政と連携して育てていくことで、花で見た目を綺麗にするだけでなく、花粉症の原因となる外来種を抑制しようという試みだそうです。(さらに食材にもなる!)

 

 四季折々の生きもの観察会は年間で全5回行われる予定です。次回は最終回、12月8日(日)「もうすぐクリスマス! 冬の生きもの探し&お楽しみミニツリー作り」です。ぜひお申込みください。

2019生きもの④_11.jpg

ラグビーコラム第12回~第14回

新横浜公園メールマガジンにて6月14日(金)~11月8日(金)まで毎週金曜日配信予定の「ラグビーコラム」をまとめて記事にしました。今後も随時まとめていきますので是非ご覧ください。
  

【第12回テーマ:「出場国紹介(4)アイルランド」】

ラグビーワールドカップでは過去最高成績がベスト8ですが、2019年8月26日時点の世界ランキングは4位。今大会優勝候補の一角として臨みます。

アイルランド島は、地図上ではアイルランド共和国と北アイルランド(イギリス)に国が分かれていますが、ラグビーでは一つのチームとして戦います。このようなチームとなっている理由はアイルランドが国として南北に分かれる前からアイルランドラグビー協会が存在していたからです。

2018年は世界の最優秀選手・チーム・コーチ賞を総なめしており、絶対王者ニュージーランドも撃破しているアイルランド歴代最強の呼び声高いチームです。特に注目は2018年世界最優秀選手に選ばれた司令塔のジョニー・セクストン(ポジション:スタンドオフ)です。パスは自由自在でランが得意。キックの精度は非常に正確で距離も出せます。つまり何をしても超一流の選手です!

ラグビーワールドカップ2019 TMでは日本代表と同じプールAに所属しています。日本代表にとってはグループ最強の強敵となることでしょう。

 

横浜国際総合競技場では、9月22日(日)アイルランドVSスコットランドが行われました!

 

 

【第13回テーマ:「出場国紹介(5)南アフリカ共和国」】

南アフリカ代表はかつてメンバーのほとんどが白人であったことから「アパルトヘイト(人種隔離政策)の象徴」としてみられていました。人種の壁を超える契機となったのは1995年初の自国開催に導き、当時大統領であったネルソン・マンデラであることは周知の事実です。

ラグビーワールドカップでは過去1995年と2007年大会で優勝しており、今回は3大会ぶりの優勝を目指します。2019年9月2日時点の世界ランキングは5位です。

代表の愛称は「スプリングボクス」。アフリカ南部に生息し、驚異的な跳躍力を持つガゼルに似た哺乳類からとっています。愛称のとおり驚異的な身体能力を強みとしています。

今大会でももちろん優勝候補とされています。注目選手は南アフリカ代表初の黒人キャプテンとなったシヤ・コリシ(ポジション:フランカー)です。個性豊かな南アフリカ代表をまとめる「人種融和の象徴」といえるでしょう。

 

横浜国際総合競技場では、9月21日(土)ニュージーランドVS南アフリカが行われました!

 

 

【第14回テーマ:「出場国紹介(6)ニュージーランド」

先週に引き続き、ラグビーワールドカップ2019TMに出場する国をご紹介していきます。第6か国目は「ニュージーランド」です。

ラグビーに詳しくない方でも「オールブラックス」という愛称は耳にしたことがあるでしょう。「ブラック」の名の通り、黒いユニフォームがニュージーランド代表の象徴となっています。世界のどの国よりも高い勝率(7割を超える!)を誇り、どの国にも勝ち越しています。文字通り最強であり、かつ世界のスポーツの歴史上最も成功しているチームと言われています。

ラグビーワールドカップでは1987年・2011年・2015年に優勝しており、今大会では史上初の3連覇を目指します。2019年9月8日時点の世界ランキングは1位です。

試合前の踊り「ハカ」は必見です。ニュージーランド先住民族であるマオリ族伝統の踊りであり、相手チームは静かにその舞踊を見守るのがマナーとされています。大迫力のため「ハカ」を見るために観戦に来る方もいらっしゃるほどです。

 

 横浜国際総合競技場では、9月21日(土)ニュージーランドVS南アフリカが行われました!

 

次回より「日本」チームを紹介していきます。ぜひご覧ください。

 

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観察日 : 2019年 9月26日(木)

場 所 : 大池周辺

動 物 : ツマグロヒョウモン、ヒメアカタテハ

植 物 : コスモス、ヒガンバナ

記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 日中の暑さも少し和らいできました。園内各所には、ヒガンバナが咲き始め、大池の周辺ではコスモスも色とりどりの花を咲かせています。

花.jpgきれいな花を咲かせたヒガンバナとコスモス

 

 その花々に、オレンジ系のチョウたちがやってきていたので、ゆっくり観察をしてみました。まず目の前に飛んできてくれたのは、ツマグロヒョウモンというタテハチョウの仲間です。

DSCF4229_ツマグロ♂.jpgツマグロヒョウモン(♂)

DSCF4238_ツマグロ♀.jpgツマグロヒョウモン(♀)

 

 ツマグロヒョウモンは、メスの(はね)の先端が黒くなるため、この名前があります。対してオスの翅は全体的に(ひょう)(もん)の柄があります。幼虫はパンジーやビオラといったスミレの仲間を食草とするため、都心部でも多く見られます。オスは、吸蜜をしつつ縄張りをもって、パートナーの当来を待ちます。運良くメスもやってきて、雄雌両方を見ることができました。

 

 よくよく見てみると、ツマグロヒョウモンに似ていますが、色合いが少々違うチョウも混じって飛んでいました。ヒメアカタテハです。

DSCF4233_ヒメアカタテハ.jpgヒメアカタテハ

 

 ヒメアカタテハは、成虫で越冬するタテハチョウの仲間で、幼虫はヨモギを食草とします。そのため、ツマグロヒョウモンと同様に、都心部でも比較的多く見られます。こちらを警戒しているのか、少し飛んでは止まり、また少し飛んでは止まりを繰り返し、様子をうかがっているようでした。

 

 これらの見分けができると観察がずっと楽しくなりますね。これから徐々に涼しくなってきます。体調を崩さないように注意して、フィールドワークをお楽しみください!

ツマグロヒョウモンほか場所.jpg

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