観察日 : 2019年 7月30日(火)

場 所 : 園内水路付近

生きもの: アブラゼミ、カブトムシ、オオナガコメツキ、ヤブキリ、ヘイケボタル

記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 今年は梅雨が長く、夏を待ち遠しく思っていましたが、梅雨が明けたらこの猛暑。早く秋にならないかなと思っているこの頃です。(気ままなものですね。)日中は、暑さが厳しいため、今回は19時くらいから夜の公園を観察しました。

 

 日が沈んだおかげで日中より暑さがやわらぎますが、湿度があり歩いていると汗がじわじわと出てきます。セミの幼虫が地中から出てきていたり、羽化し始めているのもいるだろうと思い、足もとや木の幹、枝葉を確認しながら見て回ると、メタセコイアの葉裏で動いているアブラゼミの幼虫を発見。そこには、抜け殻もたくさんついていました。50分後にまた来てみると、羽化を始めていて体の半分以上が出てきていました。

RIMG2414.jpgこれから羽化するアブラゼミはどれでしょう?(抜け殻は3つあります)

RIMG2450.jpg

50分後、羽化を始めていました

RIMG2394.jpgアブラゼミ 成虫(当日別の場所で撮影)

 

 観察会のために先日仕掛けたバナナトラップの様子も見てみました。暑さで乾燥しているものもありましたが、まだ匂いを発しているトラップにはカブトムシの雌とオオナガコメツキ、ヤブキリが集まっていました。オオナガコメツキは全国的にみられ、樹液に集まってくる昆虫。ヤブキリは成育するに従って木に登ったり肉食性が強まってくるようで、トラップに集まっている小型の昆虫等を狙っているのでしょうか。

RIMG2427.jpgカブトムシ雌(奥)、オオナガコメツキ(手前)

RIMG2422.jpgヤブキリ

 

 7月20日(土)にヘイケボタル観察会(市民活動支援事業)を行い、今年は成虫を15頭ほど観察することができました。それから1週間以上経っているので、1~2頭見れればいいかなと思い現場に向かってみると、、 観察会のときと同じくらいホタルが光っているじゃないですか!数えてみると12頭でした。今年も無事に羽化してくれるか心配でしたが、予想以上に長く出続けてくれていることにとても驚きました。

 

 夜の新横浜公園も生きものの魅力いっぱいですね。セミの羽化は意外と身近な街路樹等でも見ることができますので、ぜひ日中に抜け殻の様子を確認しておいて夜観察してみてください。新横浜公園内は、許可なくトラップの設置はできません。昆虫を採集した場合も持ち帰らずに放す配慮をお願いします。

RIMG6978.jpgヘイケボタル

オオナガコメツキほか場所.jpg

600本のマリーゴールドが見ごろ!

2019麻生養護実習_1.jpg 

 麻生養護学校元石川分教室インターンシップ実習受入れも、今年で4年目を迎えます。

 

 インターシップ実習の受入れ趣旨に賛同していただきましたサカタのタネグリーンサービス株式会社様より、花苗(マリーゴールド)600ポットのご提供をいただき、5月16日(木)に新横浜公園中央広場10箇所の花壇の植替え作業を行いました。

 

 今回も日産スタジアム運営ボランティア(グリーン&クリーン部会)の方々にも実習のお手伝をいただきました。

 

 最初に、生徒代表者から朝のご挨拶をいただき実習をスタート。

2019麻生養護実習_2.jpg 

 ボランティアさんの指導を受けながら花植えを行う生徒さんの方々です。

2019麻生養護実習_3.jpg 

 生徒さんによる花植え作業風景です。

2019麻生養護実習_4.jpg2019麻生養護実習_5.jpg 

 植え付けが終わったら、皆で協力して植えた花の水やりを行っています。

2019麻生養護実習_6.jpg 

 花植え、水遣りを行った後に花壇の周りを綺麗に清掃して終了です。

2019麻生養護実習_7.jpg 

 看板を設置して麻生養護学校元石川分教室の協力を公園利用者の皆さまに周知します。2019麻生養護実習_8.jpg

 

 マリーゴールドをカラスが抜いて遊ぶのを防ぐため、糸を張り防いでいます。

2019麻生養護実習_9.jpg 

 週に1~2回程度、日産スタジアム運営ボランティアの方々に「水遣り」「草取り」を行っていただいております。

2019麻生養護実習_10.jpg2019麻生養護実習_11.jpg 

 生徒さんが丁寧に植え付けてくださったマリーゴールドも2か月がたち3倍以上に成長して綺麗な花を付けております。

 

 また、新横浜公園には、他にもいろんな種類の花や樹木が植えられています。是非そちらも一緒にご覧になってください。

 

 次回の実習は、10月に行う予定です。

 

 麻生養護学校元石川分教室の皆さんありがとうございました。

2019麻生養護実習_協賛(修正).jpg

観察日 : 2019年 7月17日(水)

場 所 : 水路周辺、修景池周辺、投てき練習場周辺

生きもの: クワコ(幼虫)、ミシシッピアカミミガメ、カルガモ

記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 7月に入り、しばらく雨が続きました。毎日ジメジメと蒸し暑く、熱中症には要注意ですね。今日は数日ぶりに天気も回復し、気温も28℃まで上がりました。雨上がりで蒸し暑い日は様々な生きものが活発に動き出すので、何か変わり種が見つかればなぁ、と思いつつ、朝から観察を始めました。観察を始めて数分。水路近くに生えているクワの葉の上にイモムシが乗っていました。「クワコ」というガの幼虫です。

DSCF4174.jpgクワコ(幼虫)

 

 鳥の糞のような色形ですが、れっきとした昆虫です。ガというと苦手な方も多いかと思いますが、ガと一口に言っても、触れるとかぶれるような種類はごく一部で、ほとんどは毒を持たない種類です。その中でも、このクワコは絹糸を作ることで有名なカイコ(蚕)の野生種とも言われているのです。人間の生活と密接にかかわってきた昆虫のルーツということで、数㎝の小さなイモムシに10分以上も見入ってしまいました。

 

 水路から離れ、修景池の近くにやってきました。久々の晴れ間だったので、ミシシッピアカミミガメ達が岩の上で気持ちよさそうに甲羅干しをしていました。

DSCF4201.jpg甲羅干し中のミシシッピアカミミガメ

 

 残念ながら、他のカメは見つかりませんでしたが、やはりカメ類の観察は晴れた日に限りますね。みんな、何とも言えない表情で甲羅干しをしていたので、カメラを向けますが、カメ達がこちらに気付くのがシャッターを切るよりも若干早く、うまく撮れたのは結局上の1枚だけでした。まあ、写真は撮れたので良しとしましょう・・・。

 

 最後に、大池沿いに投てき練習場周辺まで歩いてみました。すると、先月まであんなに小さかったカルガモのヒナ達が、親鳥と見間違うくらいに大きく育っていました。

DSCF4203.jpg大きくなったカルガモのヒナ

 

 数はだいぶ減ってしまったようですが、残ったヒナは立派に成長しているようです。こちらの姿を見つけると、急いで泳いで行ってしまいました。

 

 夏本番、これから台風も来るようですが、体調管理、天候のチェックを万全にして、フィールドワークをお楽しみください!

クワコほか場所.jpg

観察日 : 2019年 6月27日(木)

場 所 : 大池、園内水路

植 物 : ネジバナ

動 物 : カワセミ、ショウリョウバッタ、ツバメシジミ

記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 5月下旬に30℃越えしたときは、いったい6月はどれくらい暑い日が続くのだろうと不安になりましたが、案外過ごしやすく過ぎていきましたね。この前新年を迎えたばかりという感覚ですが、もう半年がたつことに恐ろしくなっている今日この頃です。

 

 いつものルートで、投てき練習場周りから観察をスタートしました。お食事中のカルガモ親子や、日向ぼっこのミシシッピアカミミガメたちを見ながら、これから始まる夏の新横浜公園の雰囲気を体に感じます。亀の甲橋下を通り過ぎて写真を撮ったのはカワセミ。今まで野鳥の撮影で使っていたカメラが壊れたため、スマホとの組み合わせで撮影してみましたが、ズームすると画像の粗さが目立ちますね。はっきり見えるところに出てきてくれないか粘りましたが、一番よかったのがこの写真でした。

IMG_2932.jpg隠れんぼのカワセミ

 

 カワセミを観察した後、大池沿いに草地を歩いていると、緑や茶色のバッタがたくさん!子どもたちが大好きショウリョウバッタです。まだ幼虫で(はね)がないので、必死にジャンプして逃げてたんですね。ショウリョウバッタがたくさんいると、ついタイリョウ(大量)バッタと言いたくなるのですが、漢字で書くと「少量」ではなく、「精霊」。長崎県を中心として行われるお盆の伝統行事である「精霊流し」の精霊船に似ていることや、その時期に成虫がみられることが由来とされているようです。

 

 シロツメクサでは、シジミチョウの仲間のツバメシジミが吸蜜をしていました。後ろの翅に突起が付いているのが特徴の1つです。翅をスリスリ擦り合わせながら吸っている様子が「うまい~!うまい~!」と喜んでいるように思えてとても可愛らしかったです。

IMG_2939.jpgショウリョウバッタ

IMG_2946.jpg

ツバメシジミ

 

 水路沿いを歩いているとねじれた花を咲かせている植物を見つけました。ネジバナです。花が小さいので分かりにくいですが、ランの仲間です。本当に面白い咲き方をする花ですよね。この変わった見た目が虫を呼び寄せるために自分を強くアピールするポイントになっていそうだなとも思います。

 

 だんだんとセミの鳴き声で賑やかになってきそうですね。夏の自然観察は、熱中症と天気の急変に注意して楽しみましょう。

IMG_3003.jpgネジバナ

ショウリョウバッタほか場所.jpg

 623()、「新横浜公園四季折々の生きもの観察会」(協賛:株式会社春秋商事)の今年度1回目の観察会を行ないました。

 

 今回は「今年はとるぞ!水辺の生きもの観察リベンジ!!」と題して、水にいる生きものがテーマです。昨年実施時は仕掛けに魚がかかってくれず悔しい思いをしたので、雪辱を果たす回となりました。

 

 講師は特定非営利活動法人鶴見川流域ネットワーキング(以下npoTRネット)さんです。

 

 まずは、このイベントについての説明がありました。新横浜公園は多目的遊水地になっており、鶴見川が氾濫しないように川の水を引き込むようになっていること、ハチに遭遇した時の対処法などの説明がありました。

2019生きもの観察会①_1.jpgnpoTRネット阿部さん

 

 みんな説明をしっかり頭に入れて、どんな生きものに出会えるのか期待を持ちつつ、公園内での観察会です。公園内の自然と触れ合いながら、水路の生きものがいるポイントに向かいました。

最初のポイントでは網を使って小さい生きものを狙います。npoTRネットの阿部さんより捕り方のレクチャーを受け、それぞれタモ網を使って捕まえていきます。

2019生きもの観察会①_2.jpgレクチャー中

2019生きもの観察会①_3.jpgなにがいるかな?

 

・・・みんな生きものが捕れたようです。ここで捕れたのは、カダヤシやドジョウ、ヨシノボリの仲間、アキアカネのヤゴ、アメリカザリガニなどでした。

2019生きもの観察会①_4.jpgメダカ。ではなく「カダヤシ」です

2019生きもの観察会①_5.jpgドジョウの子ども

2019生きもの観察会①_6.jpgヨシノボリの仲間

2019生きもの観察会①_7.jpgアキアカネのヤゴ

2019生きもの観察会①_8.jpgアメリカザリガニ

 

 次に修景池に移動し、あらかじめ仕掛けておいた「お魚キラー」と言われるカゴの中に餌を入れて生きものを採集する仕掛けを引き上げます。

※今回特別に仕掛けました。また自治体によっては漁業調整規則によって使用できない場合もあるためご注意ください。

2019生きもの観察会①_9.jpgゆっくりと引き上げて、、、

2019生きもの観察会①_10.jpg中に何か入っているようです!カゴをあけてみると・・・

2019生きもの観察会①_11.jpgモツゴが入っていました!!

2019生きもの観察会①_12.jpgモツゴ(一部です)この後すぐにリリースしました。

 

 大量のモツゴを観察することができました。成魚も幼魚もたくさん!(推定300匹ほどでしょうか??)

 

 モツゴの楽園となっている原因としては、泥の濁りが外敵から身を守るのに役立っていることや、岩場がよい産卵場・隠れ場になっていることが考えられます。

 

 続いて大池の生きものを観察するため、投網をしました。

2019生きもの観察会①_13.jpg見事な投網!!

2019生きもの観察会①_14.jpg慎重に引き上げていくと・・・

 

 捕獲されたのは、「ブルーギル」でした。

2019生きもの観察会①_15.jpgブルーギル(撮影者の影は気にしないで下さいね。)

 

 最後のポイントへ移動です。ここではあらかじめ仕掛けておいた定置網を引き上げました。

2019生きもの観察会①_16.jpgおや!?引き上げる前から網が動いています。何か入っているのでしょうか。

2019生きもの観察会①_17.jpg何が入っているかな?

 

 引き上げていくと、参加者から「カメーーーー!!!」と大きな声が挙がりました。正体はミシシッピアカミミガメだったようです。そのほかにここでもブルーギルが入っていました。

 2019生きもの観察会①_18.jpgミシシッピアカミミガメ(このサイズは推定30才です!)

 

 最後に、捕れた生きものの詳しい解説を行いみんなで観察しました。

 

 次回の四季折々の生きもの観察会は82()開催です。この日は、新横浜公園昆虫トラップ&セミの羽化観察をします。皆様のお申込をお待ちしております!

 

 この「新横浜公園四季折々の生きもの観察会」は年5回の観察会を予定しており、日頃から新横浜公園・日産スタジアムにご協力いただいている株式会社春秋商事様にご協賛いただいています。

 

 なお、今回観察会のために特別に調査用定置網の設置・投網を行いましたが、普段は無断での定置網の設置等は禁止となっております。また、公園内で捕まえた生きものは放してあげるなどの配慮をお願いいたします。

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