観察日 : 2019年 11月9日(土)
場 所 : 第2運動広場周辺、大池周辺
生きもの: モズ、ケラ(はやにえ)、ヨコヅナサシガメ
記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
朝晩の冷え込みが一層厳しくなり、冬がやってきたことを実感する今日このごろです。今回は、私の中での「冬といえば」の生きものをご紹介したいと思います。園内を歩いていると、スズメより少し大きく尾羽の長い鳥が私の前を横切っていきました。目で追いかけ、カメラで見てみると、大好きな「モズ」がいました。
モズ
何度かこのブログにも登場している鳥ですが、相変わらず橙色がきれいで目を奪われます。ですが、モズがいるということは今年も"はやにえ"の被害者もいるのではと思い、大池沿いの木の枝先を見てみました。すると、素晴らしく(?)状態の良い「ケラ」の"はやにえ"が見つかりました!
モズの"はやにえ"(ケラ)
人によっては、閲覧注意の画像かもしれませんが、はやにえがあるということは周辺地域にはやにえになった生きものが生息しているということです。ちなみにケラは、大きな括りでいうとバッタの仲間にあたる昆虫ですが、神奈川県のレッドデータブックでは「要注意種」に選定されていて、減少傾向にあり、あまり見かける機会は多くありません。
最後に、クヌギが植えられている地点を観察してみました。気温が低いため、スズメバチ類やコガネムシ類は見られませんでしたが、樹皮の隙間に黒い光沢のある昆虫が集団で見られました。カメムシの仲間の「ヨコヅナサシガメ」です。
集団越冬するヨコヅナサシガメ
本来、中国から東南アジアに生息するカメムシの仲間ですが、日本で最初に確認されたのは、昭和初期といわれており、貨物に混じって九州に入ったとされています。他の小昆虫に吻を刺して捕食しますが、不用意につかもうとすると稀に人間も刺される事があるそうなので、見かけた際は触らないことをオススメします!
冬本番、これから更に寒くなっていきます。冬鳥の観察のシーズンになりますが、体調管理を十分にして、フィールドワークをお楽しみください!
新横浜公園メールマガジンにて6月14日(金)~11月8日(金)まで毎週金曜日配信の「ラグビーコラム」を記事にしました。今回が最終回です。是非ご覧ください。
ここ横浜国際総合競技場では9月21日から11月2日まで、43日間にわたりラグビーワールドカップ2019TMが6試合開催されました。
本コラムでは現場での裏話をご紹介します。
当競技場開催のスポーツイベントとして最多の入場者数70,103人を記録した決勝はもちろんですが、最大のハイライトは10月13日の日本対スコットランドではないでしょうか。
10月12日台風19号(ハギビス)の影響により開催予定であったイングランド対フランスは中止となり、12日時点では13日の試合開催可否についても全くわからない状況でした。報道などでご存知のかたも多いと思いますが、横浜国際総合競技場の1F部分へ鶴見川からの流入があり、13日0時頃まで15時間ほど川の水が流れ込みました。安全確認後に復旧作業が早急にできるよう、スタジアムに泊まり込みで対応にあたりました。13日当日は関係者一同「とにかくできることをやりきろう」という気持ちを心に秘めていたと思います。水が引いた後の水溜まりや泥の除去作業、破損があった箇所の修繕作業などを「One Team」で遂行しました。試合中、運営本部ではトライをする度に拍手が起こりました。着任4年目にして試合経過(結果)によって拍手が起こることは初めての経験でした。それほどこの試合を開催することができたことをスタッフ一同、感慨深く感じていたのではないでしょうか。
もう一つご紹介します。
準決勝終了後にイングランドチームスタッフより「ほうきとチリトリを持ってきてほしい」とのご依頼がありました。用具を選手ロッカールームまでお持ちしたところ、スタッフではなく選手自ら清掃をしている姿がありました。選手全員が退出後ロッカールームを確認すると、ゴミは全てゴミ箱の中に入れられ、とても綺麗にご利用いただいておりました。ラグビー憲章にあるように「品位(INTEGRITY)」を持ってスタジアムスタッフを「尊重(RESPECT)」していただいたエピソードではないかと思います。
今後も安心・安全なスタジアム運営に努めてまいります。スタジアムでお待ちしております!
事業課 田中
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観察日 : 2019年 10月31日(木)
場 所 : 大池
生きもの: コガモ、キンクロハジロ、カワウ、チョウゲンボウ/ オオヨシキリの巣
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
10月12日に通過した台風19号では、新横浜公園が含まれる鶴見川多目的遊水地に鶴見川の水が流入し、約94万m3を貯留しました(遊水地の総貯水量は390万m3)。翌日はラグビーワールドカップ2019™の日本対スコットランド戦だったことから、遊水地としての機能も注目されたのではないかと思います。平成15年の運用開始から、21回目の流入となりました。台風前の大池は、水面が枯れたヒシで覆われている状況でしたが、台風後はほとんどなくなっていました。
台風19号前の様子(10月9日)
観察日の様子(10月31日)
秋が深まりカモの種類や数が増えてきているか楽しみにしていましたが、10月上旬の観察と大きく変わらず、カモの仲間はコガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ、カルガモの4種。オオバンは徐々に増えてきており、25羽見ることができました。
大池対岸の岸辺では、カワウが翼を大きく広げていました。「ほら、私を見て」と言っているわけではなく、羽は水をはじかないので乾かす必要があるんですね。一方、カモの仲間は、尾羽のつけ根辺りにある尾脂腺から出る脂を羽毛にぬりつけることで水をはじくことができるので、カワウのように羽を乾かす仕草はありません。
排水門付近で休むコガモ
休息中のキンクロハジロ 目はぱっちり
羽を乾かすカワウ
観察も終盤にかかり、もう一つ何か出てくれないかなと見渡していると越流堤の上空を飛翔するチョウゲンボウを発見。河川ライブカメラの上に降りたため、写真を撮ろうとしたところ飛び立ってしまい、肉眼で姿を探していると今度は水位計の上にとまりました。獲物をとらえてきて何かを食べているようで、スコープでじっくり見ているとカマキリでした。草むらにいるカマキリを捕獲するとは流石の動体視力ですね。
カマキリを食べるチョウゲンボウ
食後の様子(雄:頭は青灰色)
今回は、オオヨシキリの巣についてもお知らせしたいと思います。オオヨシキリは、初夏に渡来し、水辺のアシ原等で繁殖。秋になると南に渡りをする夏鳥です。一夫多妻性で、巣はアシの茎を支えにしておわん型のものを作り、5個程度の卵を産みます。カッコウに托卵される鳥としても有名です。
新横浜公園では、水路の一部をオオヨシキリエリア(下地図黄枠)としてアシ原を維持管理し、繁殖を支える場としています。昨シーズン、巣の確認は1つでしたが、今回は2つ(下地図×印)確認することができました。無事に巣立ってくれていたらとても嬉しいですね。大池越流堤側にもアシ原があるため、おそらくこちらでも数個体が繁殖しているのではないかと思います。来年もたくさんのオオヨシキリがやってきて、繁殖場として利用してほしいですね。
オオヨシキリ
黄色:オオヨシキリエリア 赤×:今年オオヨシキリの巣を確認した場所
オオヨシキリの巣
台風19号による流入後だったため、巣は泥だらけ。
草の茎や葉だけではなくビニールひものような人工物も使っていました。
新横浜公園メールマガジンにて6月14日(金)~11月8日(金)まで毎週金曜日配信予定の「ラグビーコラム」をまとめて記事にしました。今後も随時まとめていきますので是非ご覧ください。
【第19回テーマ:「独自の文化(4)アフターマッチファンクション」】
ラグビーの試合後には「アフターマッチファンクション」という両チーム参加の交歓会が多く行われています。試合が終了したら敵味方の区別がなくなる「ノーサイドの精神」に通じますね。この交歓会の飲み物もやはりビールがメインだそうで、冷たい右手で握手をしないように、ジョッキは左手に持つのが決まりになっているそうです。そして右手で持ってしまったら「バッファロー」といわれて飲み干さなくてはいけないのだとか。9月22日のアイルランド対スコットランド戦終了後、新横浜駅周辺のあちこちのコンビニエンスストアの前で両チームファン同志のアフターマッチファンクションを見かけました。飲食店では両チームファンに活動後のボランティアさんたちも加わった交歓会が行われていたそうです。ラグビーワールドカップならではの交流が素敵ですね。
【第20回テーマ:「独自の文化(5)試合前のパフォーマンス(ハカ)」】
横浜国際総合競技場での9月21日のニュージーランド対南アフリカの試合の前に、ニュージーランド代表オールブラックスによる「ハカ」が披露されました。「ハカ」の中でも2005年から使われている「カパオパンゴ(黒のチーム)」は、特別な試合で踊るそうです。この初戦で「カパオパンゴ」、第2戦のカナダ戦は「カマテ」が披露されました。仲間の士気を高め、相手を威嚇する「ハカ」は、攻撃的な表情や体の動きで迫力があり、6万人を超える観客の静寂の後のどよめきが試合を一層盛り上げます。試合前の「ウォークライ(戦いの雄叫び)」と呼ばれる各国の伝統儀式は、ニュージーランド代表の「ハカ」のほかに、サモア代表の「シヴァタウ」、トンガ代表の「シピタウ」、フィジー代表の「シンビ」があります。ラグビーワールドカップの見所の一つですね。
横浜国際総合競技場では、10月26日(土)17時00分K.O.準決勝1イングランドVSニュージーランド、10月27日(日)18時00分準決勝2ウェールズ対南アフリカが行われました!
【第21回テーマ:「ウェブ・エリス・カップ」】
ラグビーワールドカップの優勝トロフィーの名前は、ラグビーの起源といわれるイングランドのラグビー校のウィリアム・ウェブ・エリス少年が由来となっています。1823年、エリス少年がフットボールの試合中にボールを手に持って相手ゴールへ走ったのがラグビーの起源とされています。横浜国際総合競技場の会場内には「1823ラウンジ」という名前のラウンジが設けられていて、シャンパン・レセプションや限定記念品などのホスピタリティーのついた特別パッケージが販売されたそうです。ウェブ・エリス・カップは、純銀製で金箔に覆われたカップで、重さが4.5㎏もあるそうです。2017年11月にイングランド ラグビー市を出発して世界を巡り、日本国内の開催地を巡るトロフィーツアーでは、富士山頂上まで訪れていましたね。いよいよ明日、このトロフィーを手にする王者が決定します!
横浜国際総合競技場では、11月2日(土)18時00分K.O.決勝イングランドVS南アフリカ行われました!
次回、ラグビーコラム最終回は、横浜国際総合競技場ラグビーワールドカップ2019TM担当者によるコラムです。お楽しみに。
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バラの季節は5月中旬以降の「春」です。寒い冬の間眠っていたバラの花が、暖かくなると一斉に咲き、全国各地のバラ園では非常に多くの花が咲きます。しかし、花を咲かせるのは春だけではありません。バラの種類によりますが、多くのバラは春以外も花を咲かせます。
バラには咲き方に特徴があり、「一季咲き」に分類されるバラは一年に一度、春に花を咲かせますが、他に「四季咲き」や「返り咲き」という分類のバラがあり、10月中旬現在、咲いている花のうちいくつか紹介します。
淡いピンクの花「ジェントル・ハーマイオニー」。花は中輪で、芳香は強いです。
サーモンピンクの花「ピンク・パンサー」。芳香は強くないですが、大輪の花を咲かせます。こちらは山下公園の沈床花壇から来たバラです。
春のように多くの花をつけているわけではないですが、ひとつひとつの花は力強く咲いています。また、春に植えたバラ以外の植物も随分大きくなりました。
4月22日撮影(ガウラ桃花)
10月18日撮影(ガウラ桃花)
新横浜公園の北側園地は、まだ台風19号の影響で入園規制をしております。小机ローズガーデンは規制から解除され、近くで見れますので、是非見に来てください。