観察日 : 2020年 1月14日(火)
場 所 : 中央広場、大池など
生きもの: モズ、ミコアイサ、カンムリカイツブリ、シメ
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
あけましておめでとうございます! / モズ(雌)
新年最初の観察はぽかぽかと暖かく天気に恵まれてスタートしました。トップバッターの生きものは、モズです。中央広場の木の枝にとまって、尾をクルックルッと回しながら盛んに鳴いていました。写真だけで見ると「あけましておめでとう!」と言っているようだなと思いました。吹き出しをつけたら、みなさんは何と書きますか?
大池の方に行ってみると、観察者は10名ほど。レンズの先にいたのは、カモの仲間のミコアイサでした。今シーズンもやってきてくれてとても嬉しいですね。ペアで一緒にいるところを狙いますが、水面に浮いてきてもすぐに潜ったり、少し離れてしまったりで、デジスコ(デジタルカメラ+フィールドスコープ(単眼鏡))で撮影するのには少々苦戦しました。カンムリカイツブリは2羽、とても仲良さそうに泳いでいました。他に見られた水辺の鳥は、ハシビロガモ、オカヨシガモ、コガモ、カルガモ、キンクロハジロ、オオバン、バン、アオサギ、コサギ、カワウなどでした。
今シーズンもやってきてくれたミコアイサ / 雄(左)、雌(右)
カンムリカイツブリ 仲がよさそうですね。
最後は、締めくくるのにこれ以上ピッタリな鳥はいないでしょう。シメです!(やっと使える時がきました 笑) 観察終盤で、なにかもう1つ出てくれないかなと探していたときに発見できたので、本当に奇跡的でした。写真では見えませんが、喉に大きな黒斑があるのが特徴です。同じアトリ科では、カワラヒワが新横浜公園でよく見られます。
リハビリテーションセンター入口交差点のループ橋で多くの方が野鳥観察をされていますが、車道での観察はとても危険で、駐車場を利用される方からの注意もきているようです。安全でマナーを守った観察をお願いいたします。
シメ
師走のある日、小机小学校の6年生が新しい春を迎える準備として、「さくらそう掘り起しの会」を実施しました。
これは、市民活動支援事業(注)として認定された「桜草でつなぐ小机小学校と新横浜公園プロジェクト」の一環事業で、5年生のときにポッドに植えた'さくらそう'を掘り起こして状態を確認する!という活動です。
横浜さくらそう会の三宅会長の説明を聞いた6年生は、クラスごとに広げた校庭のブルーシートに、各自でポッドをひっくり返して根(芽)を探します。
時おりミミズなどが出てくるとあっちで「わ~!」、こっちで「きゃ~!」と歓声があがったり、余った土で何やら造りはじめたり... 和気あいあいとした雰囲気で作業が進みました。
ず~っと先輩から引き継がれてきたこの活動は、今年で11年目になります。
「今年は例年になく根(芽)の成長が良いよ!」と言う力強い会長の励ましの後に、全員で記念撮影をして無事終了!
今月は、いよいよ新横浜公園の水辺に苗の植え替えをします。
どうか大地に根付いて、皆の心と一緒に綺麗な花が開きますように...
注:新横浜公園市民活動支援事業
新横浜公園内で市民団体が行う自主活動に対して、公益財団法人横浜市体育協会公園管理局が、活動の場の提供と経費の一部を助成し、市民との協働による新横浜公園の魅力づくり、公園利用者の満足度の向上及び市民活動の支援を目的とした事業。
2020年もお正月恒例「新横浜公園 凧揚げの日」を開催しました。暖かい日差しが時々差し込み、お友達家族同士やグループでのご参加でたくさんの皆さんにご来園いただきました。おかげさまで用意した「凧作り」セットが完売しました!皆さんが自分で作った凧、貸出凧とお持ち込み凧を高く揚げたり、走って揚げたり、とてもカラフルな新横浜公園の空になりました。
「凧づくり」やコマ回しなどの「正月遊び」はスタジアムボランティアさんが作り方、遊び方を教えてくれます。
電線やビルなどを気にせずに思いっきりできる草地広場での凧揚げは、都内から来てくださり楽しんだ方もいました。新横浜公園凧揚げの日以外にも凧揚げはお楽しみいただけますが、ほかのご利用者や、木などに十分ご注意ください。
新年あけましておめでとうございます。
今年も横浜国際総合競技場から雪化粧の富士山が見えます。
旧年中は日本初開催となる「IAAF世界リレー2019横浜大会」「ラグビーワールドカップ2019™」の他、サッカーでは横浜F・マリノスのJ1リーグ優勝など感動的な熱い戦いが当競技場で繰り広げられ、国内外から多くの皆様にご来場いただき誠にありがとうございました。
今年はいよいよ東京2020オリンピックが開催されます。当競技場では男子サッカー競技決勝戦を含む11試合(男子決勝戦含むサッカー8試合、女子準決勝含むサッカー3試合)の開催が予定されております。
このほか、横浜国際総合競技場のある新横浜公園では新年の恒例行事となりました「凧あげの日」を皮切りに、今年も園内を中心にさまざまなイベントを開催してまいります。
私たちは今年も安全・安心・快適な公園を目指しスタッフ一同尽力してまいります。
今後ともよろしくお願いいたします。
皆様のご健康とご多幸をお祈りし、新年のご挨拶とさせていただきます。
芝生観察日記の第九十三話です。
令和元年12月27日(木)
<~ Road to 2019&2020 ~>
まずは、横浜F・マリノスの選手、関係者、そしてサポーターの皆さま優勝おめでとうございます。
ラグビーワールドカップの決勝戦が終わって間もなく、優勝争いでトップを走っていた我らがF・マリノスのポステコグルー監督が大事な決戦の場となるピッチの視察に訪れました。
ピッチの感触を確かめながら数歩歩いて立ち止まり、こちらを見る表情が一瞬曇り、語り始めました。「状況は理解している(ラグビーワールドカップが終わったばかり)。だが、ベストを尽くして欲しい。そして、硬さが気になるので何とかして欲しい。」これだけでした。
我々もこの後に控える試合の重要性を十分認識はしていましたが、その場で出る言葉は「ベストを尽くします。できることはやります。」これだけです。
正直、この時点でピッチ状態は決して満足いくものではありませんでした。監督の見立てもそうだったのでしょう。
しかし、次の試合まで限られた時間は1か月足らず。ベストを尽くすしかありません。
8月3日のJリーグ第21節、マリノスは連勝中だったもののエスパルスに0対1で負けてしまい、連勝が2で止まってしまいました。この試合のピッチコンディションは今年の長梅雨の影響で思わしくありませんでした。当然、試合後のコメントで負けた理由の一つにピッチコンディションがありました。
我々も歯痒く、悔しい思いでしたが、天候ばかりはどうしようもありません。少なからずホームスタジアムとしてチームにアドバンテージとなる状況ではなかったので申し訳ない思いはありました。
決戦に向けて取り組んだこと、それはワールドカップで擦り減ったライグラスを復活させることと、硬いという状況を改善する作業に焦点を絞りました。陽が短くなり、気温も低下してきたため芝生の根からではなく、葉からも吸収できる液体肥料を定期的に散布する他、シートを掛けて保温し、ライグラスの活性を上げました。また、バーチドレンを掛けて指摘された硬さの調整を図りました。
結果、試合当日の様子はこんな感じでした。当日の来場者数はJリーグ記録となる63,854人でした。テレビ中継も地上波、ピッチ上空にはJリーグでは珍しいスパイダーカムが設置され、この試合の注目度が覗えました。
試合はご存知の通り、F・マリノスが今年の勢いがそのまま出た試合となり、3対0で圧勝しました。
ベストは尽くしましたが、当日のピッチコンディションは理想にはほど遠い状態でした。それでも、この試合はF・マリノスが目指すサッカースタイルに適応できたのではないでしょうか。
今年一年、色々ありましたが、トリパラ全開のホーム側スタンドを見てジーンときました。
昨年ハイブリッド芝に張り替えて2シーズン目となる今年は、ラグビーワールドカップを控えて試行錯誤の管理に加えて、天候不良にも悩まされて厳しい管理を余儀なくされました。
改めて、「芝生は生きもの」という教訓になった一方、人工物が混在することの難しさを知りました。来年には東京2020オリンピックのサッカー会場として、新たなチャレンジが控えています。
今年の教訓を糧に新たな気持ちで臨みたいと思います。
来年もよろしくお願い致します。良いお年をお迎えください。