平成31年2月24日(日)、155名の運営ボランティアさんと11名の職員による合同研修を行いました。
まず初めに、FOUNDATION FOR THE SUPPORT OF THE UNITED NATIONS INC.(FSUN/和訳:国連支援財団) から副理事長の前田淳氏、理事の上山博美氏をお招きし、「国連SDGsにおけるスポーツの役割と国際大会開催都市の心構え」をテーマにご講演いただきました。
SDGsとは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略で、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ宣言」に記載された2016年から2030年までの国際目標で、17の目標と169のターゲットから構成されています。
国連が掲げる目標とスポーツとの関連にイメージが浮かばない方もいらっしゃることと思いますが、上記で述べた「持続可能な開発のための2030アジェンダ宣言」では、『スポーツもまた、持続可能な開発における重要な鍵となるものである。我々は、スポーツが寛容性と尊厳を促進することによる、開発および平和への寄与、また、健康、教育、社会包摂的目標への貢献と同様、女性や若者、個人やコミュニティの能力強化に寄与することを認識する。』と記されており、スポーツが重要な役割を果たすことが期待されています。
国際オリンピック委員会(IOC)はSDGs五輪の推進に力を入れており、東京2020オリンピック・パラリンピックでは、
・大会運営で使用する電力は最大限、再生可能エネルギーを活用する
・食品ロスを減らす
・GAP認証(食品安全基準)の取得
・再生材の利用
・調達物品の再利用(レンタル・リースの活用)
・入賞メダルへの再生金属利用
などの具体的な目標を設定しています。
私たち横浜国際総合競技場では、サッカー男子決勝、女子準決勝を含む計11試合が開催予定です。
私たちも目標達成に貢献出来るように、SDGsに沿った大会運営を目指します。
© FOUNDATION FOR THE SUPPORT OF THE UNITED NATIONS INC.
(FSUN/和訳:国連支援財団)
続きまして、地球市民の平和塾の塾長である登丸求己氏のご登壇です。
今年開催予定のラグビーワールドカップ2019™、来年開催予定の東京2020オリンピック・パラリンピックという世界中が注目する国際大会を控え、沢山の訪日観戦者の来場が見込まれる中で、私たちは競技会場として高いホスピタリティが求められます。
日頃、あまり異文化に接する機会がない私たちは、言葉も分からず、文化も違うお客様とどう接すればよいのか、ということについて、登丸氏は、「異文化とは単に人種や国籍が違うことではありません。価値観は一人ひとり違っていて、自分以外はみんな異文化です。」と話されました。
私たちは、異文化交流の方法として、
・異文化を排除しない(受容)
・違いを知る、分かり合う(相互理解)
・約束する(共通ルール)
という「受容」「共感」「信頼」の3つのルールが必要であると学びました。
そして、言葉はいらないコミュニケーションとして、ハンドサインといわれるものからハイタッチや握手、日本人には馴染みのないハグまで、恥ずかしがらず堂々として欲しいと教えていただきました。
タジキスタンや東ティモールの紛争地で国連平和維持活動(PKO)に従事されたご経験を持つ登丸氏は、「スポーツは国を一つにし、平和をもたらす」とお話されています。
ラグビーワールドカップ2019™では、スタジアムでの観戦者は最大180万人、訪日観光客は40万人に達する可能性があると試算されています。(公益財団法人ラグビーワールドカップ組織委員会調べ)
職員ならびに運営ボランティア一同、おもてなしの心を大切にして、アジア初開催となる今大会を通じ、平和活動にも貢献できればと考えております。
©地球市民の平和塾 登丸求己氏
観察日: 2019年 3月13日(水)
場 所: 大池、水路
動 物 : アオサギ
植 物 : ヤナギ、スギナ
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
3月に入って雨の日が続くようになり、植物にとっては待ちに待った恵みになりました。公園内の水辺に生えるヤナギが芽吹き、枯れたアシやオギの色に対比してとてもきれいに見えました。萌黄色、色合いも言葉も素敵ですね。
ヤナギの芽吹きがとてもきれい
歩く足もとの周りには、オオイヌノフグリやホトケノザ、ヒメオドリコソウ、セイヨウタンポポ、ナズナなど花が咲き、一ヶ月前に比べるとずいぶん花の種類や数が多くなってきました。大池の方は、たくさんいたコガモやハシビロガモ、オカヨシガモの数はだいぶ減ってきましたが、オオバンはいまだ健在。50羽近く見られました。
よく見かけるアオサギですが、今月はちょっと違います。春バージョンでオシャレになっています!嘴の根本あたりをよく見ると赤みがかっていますね。繁殖時期をむかえるため、婚姻色になっています。写真では隠れていますが、脚も赤っぽくなるので、ぜひ嘴と脚を観察してみてください。
今月のアオサギは色っぽい
12月のアオサギ
水路沿いを見るとツクシがたくさん出始めてきていました。枯草と同じような色合いなので注意深く見ないと見逃してしまいますね。見慣れてくると、ここにも!ここにも!とたくさん見つかります。ツクシは、シダ植物のトクサ科というグループに入り、本名は「スギナ」です。ツクシと呼ばれているは胞子茎で、増えるために胞子を出す役割があり(種子植物でいう種子)、葉緑素をもっていないため枯草のような色をしています。手前に写っている緑色のものが栄養茎(矢印赤)です。スギナは2つの顔をもっているんですね。
スタジアムが背景に写るように這いつくばって撮っていたので、園路を走るランナーや犬の散歩の人たちから、「あの人何をやっているんだろう。」という視線を感じました。
スギナと日産スタジアム
横浜の桜の開花は、3月22日あたりになりそうですね。新横浜公園の桜は、並木になっていたり、密集していたりはしませんが、点在している感じが個人的にはとても好きで、のんびりとお花見でき、隠れた穴場だと思っています。ぜひお花見に来てくださいね。
観察日 : 2019年 3月1日(金)
場 所 : 第2運動広場周辺、メドウガーデン周辺
生きもの: キジバト
植 物 : オオイヌノフグリ、ホトケノザ、ナズナ
記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
徐々に暖かくなり、生きものたちも春に向けて活発になってきました。とはいえ、朝晩は気温がグッと下がることもあるので、まだまだ体調管理に気を付けないといけませんね。
今回は春を目前に、花を咲かせている植物を中心にご紹介していきたいと思います。メドウガーデン付近から観察を始めたのですが、ガーデンの横、草地になっている部分が見事な天然の花畑になっていたので思わず写真を撮ってしまいました。
青色の花弁が特徴的なオオイヌノフグリ
紫色の花弁が目を引くホトケノザ
白い小さな花をたくさんつけるナズナ
オオイヌノフグリやホトケノザ、ナズナはいわゆる「雑草」と言われがちですが、一面に咲いているととても美しく、「雑草」と呼ぶにはもったいないような気持ちになります。気温が上がれば、シジミチョウやシロチョウの仲間が蜜を吸いにやってくる蜜源にもなり、小さな生きものたちの命を支える「縁の下の力持ち」なのです。しかし今回は残念ながら、午前中に雨がぱらついていて、気温があまり上がらなかったので数日前に見かけたチョウたちはどこかに隠れてしまい、見つけることはできませんでした・・・。
足元の小さな春を見つけつつ、公園内を移動していくと、エサをさがして地面をつついているキジバトがいました。
エサを探すキジバト
何度かブログでもご紹介している普通種ですが、よくよく見てみるときれいな色をしているので、見かけるとついつい写真を撮ってしまいます。あまり共感していただけないのですが、個人的にはごく普通に見られる鳥類の中で5本の指に入るくらいに好きな鳥です。渋い体色に丸っこい体形、エサを探して地面を必死につつく姿が何とも愛らしいです。
風に吹かれてなんとなく凛々しく見えるキジバト
たまに、凛々しい表情を見せてくれるところもなかなかポイントが高いと思います。そんなことを考えながら写真を撮っていると、こちらに気が付いたのか、怪訝そうな顔をして飛び去っていきました。
春はもうすぐそこまでやってきています。暖かくなったら、ぜひ新横浜公園でのフィールドワークをお楽しみください!
観察日 : 2019年 2月20日(水)
場 所 : 大池、園内水路、テニスコートそば
生きもの: オオバン、アオサギ、キタテハ
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
気温や天気の変化が大きい毎日。春が近づいている証拠ですね。この日は春を思わせるポカポカ陽気となりました。暖かくなるのはとても嬉しいのですが、花粉も飛ぶというわけで、少し警戒して観察に臨みました。
大池に出ると、ちょうど上陸を始めたオオバンの群れと遭遇。私のことなど気にもしない様子で、どんどん近づいてきます。足元まで餌をもらいに来るんじゃないかと思いましたが、3m程のところでそれより近づくことはなく、安全な距離感を保ったまま採食を始めました。これまでの観察で、上陸して餌をとっていても、ナノハナは丸坊主にされず残っていたので、アブラナ科の植物は口に合わないのだろうと思っていましたが、、、 食べてるじゃないですか!(ナノハナを植えた造園屋さん、オオバンになりかわって謝ります)ナノハナに群がって食べるようなことはなかったため、大好物というほどではないのかもしれません。食べられずに残っていたのではなく、食べられても必死に生長した姿だったのですね。
観察していると胸にヒシの実をぶらぶらさせているオオバンが4、5羽いました。水中に潜ったときに付いたのでしょうか。ヒシの種子についている棘は、ギザギザになっており刺さってもすぐに抜けません。なるほど、こうやって種子を運搬させているんですね。
オオバン 上陸部隊
ナノハナを食べていました。
潜って付いた?ヒシの実
大池の観察を終えて、水路の様子を見ながら歩いていると、写真の姿で微動だにしないアオサギを発見!獲物を狙っているようですが、なかなか動きません。数分経ったとき、頭部は全く動かさず、体だけがグーッとゆっくり前に寄っていき静止。バシャッと嘴が水中に突き刺さりました。捉えた獲物はドジョウ。お見事です!食べ終わると、まさに抜き足差し足忍び足。獲物を求めて静かに歩き始めました。
辛抱強く獲物を狙うアオサギ
日中は予想以上に気温が上がり、暖かさに誘われて出てきたキタテハを5匹ほど見ることができました。成虫で越冬することができるため、冬でも暖かい日などに見かけることがあります。写真上のキタテハは、翅が欠けている状態でしたが、翅を太陽の方に向けて、体を温めているんでしょうね。
気づけば、心配していた花粉症で辛い状況になることはなく終了。観察に集中できたおかげかもしれません。自然好きで花粉症の方は、春は本当に辛い時期です。無理せず体調第一で観察を楽しみましょう!
キタテハ
キタテハ
観察日 : 2019年 2月13日(水)
場 所 : 越流堤周辺、園内水路、修景池
生きもの: ノスリ、カワラヒワ、タシギ、カワセミ
記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
先日は関東でも雪がちらつき、朝夕の冷え込みが一層厳しくなってきました。末端冷え性の私には少々辛い時期です(かといって暑いのもダメですが・・・)。本日も寒く、大池でカモ類の観察をされていた方々もバッチリ防寒着を着用されていました。
今回はカモ類を中心にご紹介していくことになるかと思っていたのですが、後半にカモ以外の色々な鳥類が見られたので、そちらをご紹介していきたいと思います。
公園入り直後、まずは大池に向かい何か変わり種はいないかと水面を見渡してみました。しばらくじーっと見ていましたが、特に何も見当たらず。残念に思いつつ、腰を伸ばして遠くの方を見てみると、何かいるではありませんか!
ノスリ
少し前にも1度ご紹介した「ノスリ」が前回と同じ水位計の上にとまっていました。こちらに気がつくと、あっという間に飛び去っていきました。ノスリはネズミやモグラといった農作物に被害を出すような生きものを捕食することから、農地の守り神とも呼ばれてきたようです。地味であまり注目されない猛禽類ですが、我々の生活と密接な関わりを持ってきた鳥なのです。にもかかわらず、鷹狩に向かないからという理由で「クソトビ」と呼ばれていたというのは何ともやるせない気持ちになりました。
ノスリが飛び去った後、大池沿いにもう少し鶴見川の上流側に移動してみました。すると越流堤の前に1本の木があるのですが、枝の上で群れている小鳥を発見しました。スズメでしょうか?
カワラヒワ
いえいえ、カメラ越しに見てみると全く色合いが違いました。「カワラヒワ」でした。漢字では「河原鶸」と書き、"河原"で見られる"鶸(ひ弱な鳥)"というところから名前がついたそうです。黄色と緑のきれいな羽に思わず見とれてしまいました。その後、大池から離れ、園内の水路を見に行ってみました。すると、2号水路の草が茂る岸辺に、なんとなく違和感を覚えました。何かがこちらを見ています。
タシギ
地面と上手く同化して、こちらを見ていたのは「タシギ」というシギの仲間です。毎年、秋から春にかけて新横浜公園の水路周辺で見かけます。こちらが近づくと、しゃがれた声で「ジェッ!」と鳴きながら水路の奥の方に飛んでいってしまいました。
だいぶ写真も撮れたので、そろそろ切り上げようと思い歩いていると、修景池の畔で青緑色の何かが目の端に入りました。皆さんご存知、もはや説明不要の「カワセミ」が獲物を狙ってか、池の岸にある岩の上から水面を覗き込んでいました。
カワセミ
カメラを構えようとしたその時。池に飛び込み、小魚を捕らえたようでした。残念ながら、その瞬間を写真に収めることはできませんでした。動く相手を撮るのは難しいなぁと、つくづく思い知らされました。
まだまだ寒い日が続きます。体調にはくれぐれもお気をつけて、冬鳥が見たくても寒さの厳しい日は無理をせず、フィールドワークをお楽しみください!