観察日 : 2016年 12月6日(火)
場 所 : 園内水路、中央広場
生きもの: ナミテントウ、マルカメムシ、エサキモンキツノカメムシ
記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
今回は、前回紹介しきれなかった樹名板裏の昆虫を3種類紹介します。
まずは、ナミテントウです。ナナホシテントウとともに見かける機会が最も多いテントウムシの一種で、1匹1匹それぞれに模様が異なり、自分好みの個体を探して回るという楽しみもある、虫好きには良い遊び相手でもあります。冬といえばテントウムシの集団越冬を連想する方も多いかと思います。しかし今回は集団とは程遠く、1匹だけしか見つかりませんでした。
すぐそばには同じく集団越冬する昆虫、マルカメムシも冬眠の準備をしていました。見た目は、丸っこくてテントウムシのようですが、洗濯物にやって来ることが多く、そのまま家の中に取り込んでしまうとさあ大変。キツイ臭いが部屋中に充満するということで、あまり良く思われていない昆虫です。ですが、彼らは洗濯物には日光浴目的で飛来してきているので、どうか、他意のないことをご理解いただければと思います。
次は日産スタジアム近くの中央広場にやってきました。このあたりは、樹名板のついた木が多いようです。少し探してみると、今度もカメムシの仲間ですが、背中の模様をよーく見てみてください。なんとハート型。この昆虫、エサキモンキツノカメムシといって、都市部の公園でもわりと見かける機会の多いツノカメムシの仲間で、ミズキやサンショウで多く見られます。背中の模様のとおり(?)とても愛情深く、メスは自分の産んだ卵、孵化した幼体を保護する習性があります。その様子は、5~8月ごろまで見られるようです。この頃なら暖かい日が多いので、興味のある方は探しに出かけてみてはいかがでしょうか。
冬場は、目立って生きものが活動することは少なくなりますが、冬眠という形で我々の身近に多くの生きものがいるのです。しかも、動きが鈍くなっているので観察にはもってこいな時期でもあります。ですが、観察した後は元いた場所に戻し、そっとしておいてあげてくださいね。
観察日 : 2016年 12月6日(火)
場 所 : 園内水路、日産フィールド小机裏樹木帯
生きもの: ヒロヘリアオイラガ(蛹)、マダラマルハヒロズコガ(蛹)
記事作成: 横山大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
ここ数日、すっかり寒くなり風邪を引いてしまいました。そんな私と違い、生きものたちは冬眠の準備をし、冬本番にしっかりと備えています。今回はそんな生きものたちの中から、樹名板裏で見つけたガの仲間を2種類紹介します。
まずは、ヒロヘリアオイラガの蛹です。この仲間の多くは幼虫の時だけ毒のある棘を持っていて、刺された人によると、「電気が走ったように痛かった」とのこと。透明感のある緑色の体におびただしいほどの棘がついている楕円形の幼虫で、都市部の公園でも見かける機会はかなり多いのでうっかり触ってしまわないように要注意です。今回見つけた蛹も、毒を持っているという説があるので触らないほうが良いと思います。しかし、成虫になると毒がなくなり、なぜか口までなくなってしまうという全く不思議な昆虫です。
ヒロヘリアオイラガ
続いてはマダラマルハヒロズコガの蛹です。このガは上記のヒロヘリアオイラガと違い、特に毒のある昆虫ではありませんが、幼虫が自宅である巣を背負って歩くという、ミノムシのような生活をしています。しかしミノムシとは巣の形が異なり、薄く平たい落花生のような形で、幼虫は先端から頭を少しだけ出してのそのそとゆっくり歩きます。その様子をはじめて目の当たりにした時、なんとも言えない衝撃を受けました。
マダラマルハヒロズコガ
樹名板の裏には普段見かける機会があまり多くない昆虫たちの世界が広がっています。興味のある方は、色々な樹名板の裏や、木の洞を見てみてください。今回はガに焦点を当ててみましたが、次回は他の昆虫を紹介したいと思います。
このような樹名板の裏にいます。
芝生観察日記の第七十四話です。
平成28年12月9日(金)
「FIFAクラブワールドカップジャパン2016」の開幕戦から一夜明けました。
開催国代表として参加しているJリーグチャンピオンの鹿島アントラーズがオセアニア代表のオークランドシティーに2対1の逆転で勝利しました。
平日の夜ながら17,667人の観衆が詰掛けました。しかし、まだまだ開幕戦ということでスタジアムの雰囲気は想ってたよりも柔らかい空気に包まれていました。
何にしても鹿島アントラーズの皆さん、「おめでとうございます」。
昨年のサンフレッチェ広島に引き続き、日本代表として旋風を巻き起こして欲しいと思います。
試合前のフィールドはこんな感じでした。今年の天候にはいろいろ泣かされましたが、何とかこの大会にギリギリ間に合ったかなというところでしょうか。テレビ映えもしていたような?
この大会に向けて、毎回フィールド全体に荒治療を施してきましたが、今回も試合の3日前にバーチドレン掛けを行いました。長いフォークのような機械で芝生に穴を空けるやつです。
昨年の開幕戦では、12月とは思えない雨の中での試合となりましたが、バーチドレンの効果もあってか水溜り一つできずに試合は滞りなく終了しました。今大会前もFIFAのジェネラルコーディネーターからピッチの排水性について注文をもらいました。
バーチドレン掛けは、排水性の向上だけでなく、通気性を改善し、芝生の根圏に酸素を送ることで芝生を活性化させます。そして、何といっても土壌を軟らかくするので選手の疲労軽減や転倒時の安全性向上に役立つのです。本来は春先や秋口に加えて、夏場のコンサート前など年に数回実施しますが、今回のように試合の3日前というのは稀なケースです。しかし、メリットばかりのようなバーチドレン掛けですが、芝生に穴を空けて、土壌をほぐすため試合で荒れる可能性が高くなるほか、根を傷付けてしまうというデメリットもあります。しかし、10日間という長期間の大会なのでデメリットよりもメリットに期待して実施しました。
試合後は、細かな傷が全体に発生しましたが、サッカーの質に影響しそうな状況には至らず、ホッとしています。
次の試合は、次週12月15日(木)です。いよいよヨーロッパチャンピオンとしてスペインのレアルマドリードが登場します。吹田スタジアムで行われるアジアチャンピオンとして参加する韓国の全北現代モータース対北中米カリブチャンピオンとして参加するメキシコのクラブアメリカの勝者と対戦します。
正味5日という短い養生期間ですが、注目の一戦に向けてできる限りの手当てをして臨みたいと思います。
また、次回をお楽しみに!
メリークリスマス! みなさん、こんにちは!
新横浜公園名物の「かかし」が、今年もクリスマスバージョンになりました。
「かかし」は、暑い夏や台風にも負けず、稲刈りまで大切な稲を鳥から守っていました。
稲刈りを行った後は、本来の役目は終わりますが、新横浜公園では冬も展示しています。
日に日に寒くなり、師走の忙しさで体を動かす機会も減ってきていませんか。
ぜひ、公園内に咲いている「花」や、水の上をスイスイ泳ぐ「鳥」、そして「かかし」に会いに公園に来てください。
観察日 : 2016年 11月16日(水)
場 所 : 大池
生きもの: オカヨシガモ、キンクロハジロ、オオバン
記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)
先月と比べて大分カモが入れかわり、オカヨシガモがとても多くなっていました。
オカヨシガモは北の地域から渡ってくる冬鳥です。数えると44羽で、オスとメスがちょうど半々でした。多くのカモ類のオスは派手で分かりやすい色合いになるのに対して、そうはならない渋いカモです。オスは嘴が黒く、メスは黄色っぽい部分があることで見分けることができます。鶴見川流域では、新横浜公園周辺の鶴見川中流域に多いです。
キンクロハジロは、鶴見川下流域に多いカモです。特徴は、ちょんまげ(冠羽)があること。写真は短めであまり目立ちませんが、もっと分かりやすく長くなります。キンクロハジロに似ているカモのスズガモは、ちょんまげがなく、キンクロハジロよりも海よりに多く見られます。
園路を散歩していると、オオバンが上陸して草むらで何かをパクパクとついばんでいる姿をよく見かけます。何を食べているのかと見てみると、イネ科のメヒシバの穂だけがブチブチと途中からなくなっていました。メヒシバの種子も大事な食料源になっているんですね。
オカヨシガモ
キンクロハジロ
草むらで食事中のオオバン