観察日 : 2021年 12月23日(木)

場 所 : 投てき場周辺、園内水路周辺、大池周辺

生きもの: スズメ、ジョウビタキ、ムクドリ、コサギ、カワウ

記事作成: 横山 大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 朝夕の冷え込みがいっそう厳しくなってきました。それでも日中は暖かいので、生きものたちの観察には最適ですね。さて、今回はカモやオオバン以外の冬鳥に出会うことはできるでしょうか?早速、観察スタートです!

 いつもとコースを変えて、まずは投てき場方面に向かいます。頭上から聞こえてきたのは「チュンチュン」という聞き慣れた声。街中でもよく見かける鳥、「スズメ」です。

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こちらを気にしている様子のスズメ

 

 昔から人と近い場所で暮らしてきた鳥ということもあり、日本では俳句や童謡などによく登場し、家紋にもなっています。あまりにも身近なので、じっくりと観察する機会は少ないと思います。ですが、よ~く見てみると、焦げ茶・薄茶・白・黒と地味ではありますが、様々な色が複雑に組み合わさってとても美しい模様を成しています。個人的には、大変魅力的な野鳥だと思います。

 投てき練習場の周辺をもう少し散策してみます。すると、鮮やかな橙色の小鳥が目に入りました。いつも見かけるモズとは模様が違います。頭は灰色で、ニット帽をかぶっているようにも見えました。カメラでズームしてみると、「ジョウビタキ」のオスでした。

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色鮮やかなジョウビタキのオス

 

 ジョウビタキ。一番の特徴はその鳴き声。自転車のブレーキのような「キーッ・キーッ」という甲高い特徴的な声をしています。スズメより少し小さいくらいの大きさで、日本では冬鳥として全国各地で観察できます。新横浜公園でも、その色鮮やかな羽で毎年野鳥ファンの目を楽しませてくれます。

 少し移動して、修景池へと続く水路のあたりにやってきました。水路脇に置かれた岩の近くに「ムクドリ」がいました。エサを探しているようです。

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岩の上のムクドリ

 

 スズメ同様、街中でもよく見かける野鳥の1種です。大群を作って寝床とする木に集まるので、近隣住民の方々からは嫌われがちですが、オレンジ色のクチバシと脚が美しい鳥です。岩の周辺をウロウロしながら地面をつついていましたが、残念ながらお腹がいっぱいになりそうな大物が捕れている様子はなく、写真を撮り終わると同時にエサを求めて飛び去って行きました。

 大池にやってきました。たくさんのカモたちがいますが、その奥で「コサギ」が脚を小刻みに動かしてガサガサ漁をしていました。ここは少し粘って、獲物を捕らえる瞬間を撮影したいところ。と、思った次の瞬間―――。

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獲物を捕らえたコサギ(赤丸内)

  

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捕らえたのは魚のようです。

 

 魚を捕らえました!そこそこの大きさです。ピンボケですが、オオクチバスでしょうか?この後は器用に向きを変えて、丸呑みしていました。そんなコサギの近くに「カワウ」が悠々と泳いでやってきました。

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繁殖羽になったカワウ

 

 頭から首にかけての羽が白っぽくなっています。これは繁殖羽で、周りに繁殖できるようになった事を伝え、パートナーを探すためのものです。白髪じゃありません。普段の全身黒色なのも良いですが、これはこれで凛々しく見えてかっこいいですね。

 冬本番。冬鳥観察のシーズンですが、風邪や新型コロナウィルス対策に加え、防寒対策を万全にして、フィールドワークを楽しんでください!

 今年も一年、「新横浜公園生きもの観察日記」をご覧いただきありがとうございました。来年も新横浜公園の生きものたちの魅力をお伝えしていきますので、よろしくお願いいたします。

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「新横浜公園四季折々の生きもの観察会」(協賛:株式会社春秋商事)今年度の5回目を開催しました。

 この観察会は、鶴見川の多目的遊水地として水と緑が豊かな新横浜公園と生息する多種多様な生きものの理解を深めていただく機会として、年5回を予定しました。

 今回は、新横浜公園の大池沿いを歩いて、冬になるとやってくるカモ類・猛禽類(もうきんるい)・小鳥などの野鳥の観察とクリスマスに向けて公園内の植物を使ってミニリース作りをしました。

 講師はNPO法人鶴見川流域ネットワーキング(以下npoTRネット)さんです。

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 npoTRネット阿部さんから、先ずは双眼鏡の焦点の合わせ方などの使い方を教えてもらいました。風もなく青空のいいお天気です。「太陽が出ているので、絶対に双眼鏡で太陽を見ないようにしましょう。」と約束をして観察をはじめました。

 公園の北側に位置する減勢池(大池)に向かいます。鶴見川の多目的遊水地である新横浜公園は、鶴見川の水の量が増えると越流堤から公園へ水が流入してきます。減勢池は水の勢いを弱める働きをします。

 大池の手前にあるバタフライガーデン付近でモズのはやにえとカマキリの卵を観察しました。

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モズのはやにえ(ケラ)

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モズ

 モズは捕らえた生きものを枝先に突き刺して「はやにえ」を作りますが、その目的が2019年にわかりました。餌の少ない真冬に保存食としてはやにえを食べているオスのモズは声がいいそうです。(歌声の速度が速いほどメスにとって魅力的なようです) 声がいいとモテるので繁殖に有利になるということですね。

  大池に到着すると、鶴見川多目的遊水地の越流提にある水位計のポールの先端にチョウゲンボウがいました。小型の猛禽類です。オスは頭が灰色なので、メスかな?

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チョウゲンボウ

  日産スタジアムへ向かって大池沿いを進んでいきます。大池の対岸にハシビロガモがいました。アオサギもいました。サギの中で最大級の大きさです。

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ハシビロガモ

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アオサギ

 参加者のみなさんが双眼鏡で熱心に観察しています。すると、鳥の鳴き声が聞こえてきました。「カワセミの声がしましたね」とnpoTRネット阿部さん。望遠鏡やカメラをパソコンに繋げた大きな画面でも見せてもらいました。

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カワセミ

 大池の上を2羽飛んでいく鳥がいました。カモの仲間のミコアイサでした。オスは白黒模様で眼のまわりが黒いことからパンダガモとも呼ばれています。この日観察できた2羽は、メスのような色合いでした。

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ミコアイサ 左:オス、右:メス(2020年1月撮影)

 ミニリースの飾りになるものを集めにいきましょう。メタセコイアの落ちた実を拾いました。

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 大池沿いに戻って進むとコサギ、オオバンなどを観察することができました。ミニリースを作った後に、観察できた野鳥をみなさんで確認しましょう。

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コサギ 足をガサガサ動かして獲物をねらっています

 

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オオバン


 冬鳥観察を終えて、ミニリース作りに移ります。npoTRネット亀田さんが作り方を教えてくれました。素材はすべて新横浜公園の植物です。リースの部分と飾りに使えるモミジバフウ、ハンノキ、松ぼっくり、フヨウ、ナンキンハゼ、トウネズミモチを用意してくれています。リースは枝垂れ柳でできています。加えて、野鳥観察の途中でみなさんが集めたものを自由に飾り付けしていきます。

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  メタセコイヤの実にワイヤーを巻き付けてネックレスのような飾りをお父さんが作ったり、赤いバラの実、白いナンキンハゼ、黒のトウネズミモチを組み合わせた飾りをお母さんが作ったり、お子さんがリースに取付けたり、家族仲良く作っていてとても楽しそうでした。

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 最後に今日、みなさんで観察できた鳥をホワイトボードに書き出してみると、27種類もいました。夏には10種類くらいを観察することができます。冬の方が多くなりますが、27種類はとても多い方です。ちなみに昨年冬の生きもの観察会では17種類でした。またたくさんの鳥に会いに新横浜公園へお越しください。

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 なお、今回観察会のために特別に植物を採集しましたが、普段は禁止となっております。また、公園内で捕まえた昆虫は放してあげるなどの配慮をお願いいたします。

  今年度の四季折々の生きもの観察会は終了となりました。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。このイベントは、日頃から新横浜公園・日産スタジアムにご協力いただいている株式会社春秋商事様にご協賛いただきました。誠にありがとうございました。

観察日 : 2021年 11月26日(金)

場 所 : ドッグラン付近、大池、水路付近

植 物 : モミジバフウ、チガヤ

動 物 : コガモ、ハシビロガモ、キタテハ

記事作成: 阿部裕治(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 雲ひとつない澄み切った空。風は冬を感じさせる冷たさですが、風がとまり、日差しだけになると汗ばんできます。体温調節が難しい時期ですね。

 夏、緑一色だった新横浜公園の木々は、落葉樹が紅葉し、見頃を迎えていました。特にモミジバフウの濃い赤が青空に映えてとても美しいです。紅葉というと樹木に注目しますが、水路沿いの足元に生えるチガヤの葉も、赤く色づいてなかなか綺麗です。

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 モミジバフウ(フウ科)の紅葉     モミジの葉に似ているのが名前の由来

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赤く色づくチガヤの葉     花期は初夏ですが、穂が出ているものも発見

 

 大池のコガモやハシビロガモは、換羽(かんう)がすすみ、繁殖するための羽に衣替え。雄がはっきりとわかるようになっていました。ハシビロガモを観察していると、奥の水面に白っぽい鳥がポコッと浮き出てきました。潜水していたカモではなく、カイツブリの仲間のカンムリカイツブでした。今シーズンも飛来してくれて嬉しいですね。

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繁殖羽になったコガモ(写真左)とハシビロガモ(写真右)

 

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カンムリカイツブリも登場

 メドウガーデンでは、キタテハを見つけました。飛ばれる前に写真を撮ろうと、2mほど離れた場所から撮影開始。じりじりと近づきながら撮り続け、約20cmまで寄ることができました。体全体で陽ざしを浴びてあたたまっていたのでしょうね。

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日向ぼっこ中?        翅を閉じるとウッドチップに溶け込みます。

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観察日 : 2021年 10月27日(水)

場 所 : 大池周辺、修景池周辺、バタフライガーデン周辺

生きもの: キンクロハジロ、ホシハジロ、カワセミ、キジバト

記事作成: 横山 大将(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)

 

 寒い日が続いていますね。秋はどこに行ってしまったのやら・・・。今日はこれに加えて霧雨が降ったり止んだりを繰り返すご機嫌ナナメな天候で、体感は冬そのものでした。とはいえ、寒くなってきたということは冬鳥たちを観察できる時期になってきた、ということでもあります。さて、今日はどんな鳥たちを観察できるでしょうか?

 まずは大池に向かいます。すると早速見つけました!金色の目、黒と白の羽をもつカモ、「キンクロハジロ」です。

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泳いできたキンクロハジロ

左奥に写っているのはハシビロガモ

 

 毎年寒くなると新横浜公園で見られるおなじみのカモ類です。後頭部からちょこんと出た寝ぐせのような冠羽が特徴です。まだ白い羽が見えていないので、幼羽のオス個体でしょうか?羽の色や模様が成鳥と幼鳥で異なるので見分けるのがなかなか難しいです。

 キンクロハジロが泳いで去っていくのを見届け、大池沿いを移動していきます。すると別のカモが泳いできました。赤い目、白・黒・茶色の三毛カラー、「ホシハジロ」です。

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目立つ羽色のホシハジロ

 

 こちらも、キンクロハジロ同様、毎年寒くなってくると新横浜公園で見られるおなじみのカモ類ですね。三毛の羽色になるのはオスで、メスは灰色と茶色の地味な色合いをしています。全く鳥のことを知らなかった時は、ホシハジロのつがいが泳いでいたのを見て別種だと勘違いしていました。今思うと恥ずかしい限りです。

 カモたちを見ながら移動していくうちに、修景池の近くまで来ました。せっかくなので修景池の様子も観察しましょう。気温が低く太陽も出ていないので甲羅干しをするカメたちの姿はありません。雨も強くなってきました。「これじゃあ、なにもいないかなぁ・・・」とその時。岩の上に何か青緑色に光るものが!正体は「カワセミ」でした!

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辺りを見渡すカワセミ

 

 言わずと知れた大変美しい鳥で、テレビでもよく紹介されます。修景池でエサを探している様子でしたが、雨が強くなってきた事もありどこかへ飛んで行ってしまいました。

 さて、雨がかなり強くなってきたので、私も撤退です。バタフライガーデンの横を通り過ぎて出口へ向かっているときでした。目の前を「キジバト」が飛んでいきました。

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バタフライガーデンのフェンスにとまるキジバト

 

 私の記事の中でおそらく登場回数No.1の鳥だと思います。今回は雨に打たれる凛々しい表情が見られて大変満足でした。何回見ても、羽の色合いやサイズ感、動き等々、どこをとっても可愛らしい鳥だと思います。

冬はもう目前まで迫ってきています。冬鳥観察のシーズンが始まっていますが、風邪や新型コロナウィルス対策を万全にして、フィールドワークを楽しんでください!

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 5月に麻生養護学校元石川分教室の生徒さんにご協力いただき、中央広場花壇に植えた新横浜公園利用者の目を楽しませたマリーゴールドの花も、秋には役目を終えました。

 10月6日に2回目の麻生養護学校元石川分教室インターンシップ実習を受け入れました。

 実習の受入れ趣旨に賛同していただきましたサカタのタネグリーンサービス株式会社様より、花苗(パンジー)600ポットのご提供をいただき、新横浜公園中央広場10箇所の花壇の植替え及び落ち葉清掃作業を実施しました。

 今回も日産スタジアム運営ボランティア(グリーン&クリーン部会)の13名の方々にも実習のお手伝いをいただきました。

 

最初に、生徒さんから朝のご挨拶をいただき実習をスタート

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生徒さん方は真剣に花植え作業の説明に聞き入っておりました

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花苗の配置を各グループでコーディネートしていただきました

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花苗のコーディネートを終え、さあ植栽開始

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ボランティアさんのアドバイスを受けながら植栽を行いました

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 花の植え付けが終わった後は、生徒さんがパンジーにジョウロで水やりをたっぷり行いました。

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看板を設置して午前の作業終了

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午後からは、日産フィールド小机の落ち葉清掃を行いました。

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 60ℓのゴミ袋6個分の落ち葉清掃をしていただきました。

 また、新横浜公園にはパンジー以外もさまざまな種類の花や樹木が植えられています。是非そちらも一緒にご覧になってください。

 麻生養護学校元石川分教室生徒の皆さん、パンジー花植えのご協力ありがとうございました。

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